- 漆黒 - 2 (ページ21)

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集まったのを確認すると、直人さんはある動画を再生した。

そこには、病室と思われる場所で患者衣を着るAの姿が写っていた________________

みんなの息を呑む音だけが聞こえる。

動画の中のAは、最後にあった日から少し痩せていたけど、俺らの大好きな笑顔をみせていた。

「えっ、と……………まず、ご迷惑とご心配をお掛けして、すみませんでした…

きっと直人さんやHIROさんから聞いたと思いますが、私はいま、入院生活を送っています。

正直、この間まではこうやってみんなに話そうとは思いませんでした。

ただ、直人さんや臣さんたちからみんなの話を、たくさん聞きました。

どこかで、…ふと、みんなに会いたくなる瞬間があって…また、戻れるんじゃないかなって、期待した自分もいました。

でも、まだ直接会うのは、怖いです、…ごめんなさい、…

嫌がらせしてきたスタッフさんたちはそれなりの処分を受けたと聞きました。

ただ、…スタッフさんがいなくなっても、まだ、怖いんです…

アンチも、ここ最近はずっとDMやコメント欄に溢れかえってました。

日常的な嫌がらせと、アンチ…ストーカーも…色々重なって、だんだん追い詰められてしまって…

大好きなっ…みんなを、…怖いって…思ってしまう自分が嫌で…誰にも頼らなかった私が悪いのにっ、…ごめんなさいっ、…

でもやっぱり、私はまたみんなと、笑いたいんですっ…！

もう少しだけ、時間をください。」

ベッドの上で座って泣きながら話しているAを見て、

心が痛くて、辛くて、気づいたら涙が止まらなかった。

最年少なのに、女の子なのに、こんなに16人も周りに男がいるのに、守ってやれなかった悔しさに、狂いそうだった。

涙が止まらないのは、悔しさからなのか、

それともAがもう一度俺達を求めてくれている嬉しさからなのか、

きっと両方なんだろうけど、

今の俺には、わからなかった。

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