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私と廉は、まるで違う。とても同じ血を分けた兄妹とは信じ難いほど。
私の人生は平凡そのものだ。
運動会の徒競走はいつも三位か四位だし、テストはいつも平均点辺りを彷徨いている。なにをしてもそれなりにはこなせるが、かと言って褒め称えられるほどでもない。見た目だってどこにでもいる普通の顔。
相対するように廉は常に成績上位をキープし、五歳から始めたサッカーは才能が花開き、昨年の全国大会では二年生ながらもチームのエースとして活躍した。
おまけになんと言っても廉は顔が良い。顔面国宝と称されるほど、パーツの大きさ、形、配置全てにおいて完璧に計算され尽くした造形美と手足の長い細身のモデル体型。
更にそれらを鼻にかけることなく、距離感馬鹿とも言われる親しみやすさが、男女問わず人を惹きつける。
容姿端麗、文武両道とは彼の為に生まれた言葉であると言っても過言ではない。それほどまでに天は廉に二物以上のものを与え、私たちに明白な優劣をつけた。
『廉くんおはよう！』
『あぁ、うん。』
『どうしよ目合っちゃった。相変わらず死ぬほどイケメン！流石、顔面国宝。』
当然、女子が放っておくはずもなく、告白は日常茶飯事。お陰で妹である私は随分と肩身の狭い思いをしてきた。
子猫が喉を鳴らすような声で、呼びかけた女子が悲鳴混じりに騒ぐ。
彼女だけじゃない。その隣の友人も、少し前を歩いているあの子だって、皆瞳の色を変えて廉の顔を伺うように、ちらちらと盗み見る。
単に歩いているだけで周囲の視線を独占してしまうなんて、我が兄ながらあっぱれだ。
でも、みんな知らないんだろうな。寝起きのボサボサ頭の廉を。
服だって、外ではお洒落だなんて持て囃されているけれど家の中では上下スエットがお決まりなんだから。
まぁ、そのスエット姿でさえ腹立たしいことに、様になってしまうのだけれど。素材が良い人間は流石だ。
『よく飽きひんよなあ。毎日毎日俺の顔見て。まあ確かにめちゃくちゃイケメンやけども。』
「うわ、うっざ。なにそのドヤ顔。」
こうして浮かれている割には、一向に彼女を作ろうとしない。そもそも、彼女は愚か廉の口から女の子の名前すら滅多に出てこない。
廉さえその気になれば、彼女の一人や二人なんて一瞬で見つかるのに。
なにが気に食わないのか分からないけれど、どれだけ綺麗でも、性格が良くても、言い寄られた女の子に一度として靡くことはなかった。
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恋(ren)(プロフ) - sakiさん» ありがとうございます。マイペースな更新になりますがお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年3月18日 4時) (
レス) id: 4779cb5bc5 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！続き楽しみにしてます♪ (2020年3月17日 23時) (レス) id: 6230179af3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋(ren)
| 作成日時：2020年2月15日 0時
