〈2〉思春期なものでして。【学園BASARA】【短編集】

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「ね、左近くん……」


……数十分前までは、『それなりの覚悟してくださいね？』とか思ってました、ハイ。


なんやかんやでAさんといい雰囲気になった……のはいい。でも、俺は完全にAさんにリードされてる。


「ん……」


うわ、なんでこの人こんな顔できるわけ？マジでおかしくなるってこんなの……！


「ん、かわいい……」


まただ、また可愛いって言われた。
Aさんはいつもそうだ。キスの後に必ずこう言う。


Aさんはずるい。すごくズルい。
こんな風にいつもAさんのペースに乗せられて、とにかく俺は翻弄されっぱなし。


ってかAさんホントずるい。
俺がAさんにベタ惚れなの知ってて、俺を煽るようなことしてくるっていうか！？


いや、毎日のように好き好き言ってたのは俺だから、そりゃベタ惚れなのバレるだろって話だけど……。


『俺そんなに頼りないっすか？どこがだめっすか？』とかなんとか散々言って……Aさんが折れてくれたっていうか。


……え、なんか俺カッコ悪くね？


今日だって本当はもっと、スマートに？カッコよく？Aさんと……


い、いやまだこれから！これからっしょ！？
今日こそは俺がAさんを翻弄……で、できるのか？

あと、Aさんのかわいい反応が見たい。むしろこっちがメイン。いつも余裕な感じなAさんが照れてるとことか、見たい。


……俺が大胆な行動したら、いつもと違う反応とか見れちゃったりするわけ？


例えば俺がAさんを、押し倒す……とか？

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