片倉小十郎*ジルベスターの雪降る街で ページ32
「A、今猿飛から連絡があったんだが……買い出しに行った政宗様たちが、この大雪でしばらくこっちに戻って来れないらしい」
「えっ!?」
本日は大晦日。なんやかんやあって政宗宅でパーティー的なことをすることになったんだけど、この辺り一帯は突然の大雪に見舞われてしまった。
そしてたった今、買い出しに行った政宗、幸村、佐助の3人が帰って来れないとの連絡があったらしく。
「でも買い出しって近所のスーパーに行ったんじゃなかったの?けっこう近くだし、歩いて来れそうだけど」
「それが、政宗様がどうしても隣町にある店に行きたいと言い出したらしくてな」
「あぁ……それは……」
なるほど、隣町までは行けたけど帰りの交通機関が……ってことね。
「うーん、他の準備は終わっちゃったし、私たち2人だ、け……」
……そうだよ、しばらく私たち2人きりってこと!?
む、無理無理無理無理。
だって私、小十郎さんのこと好きだし!?
いや、なんていうか!2人っきりってことですか!?
2人になれること自体は願ったり、叶ったりというか。でも突然こんな状況になっちゃって、心の準備とかしてないし!!
こういう時って何話せばいいの!?小十郎さん、だいたいいつも政宗と一緒だし。正直いつも政宗がベラベラ喋るから(ごめん政宗。でも政宗本当にすごく喋るから……)私たちはほぼ政宗の聞き役だし。
何気に私と小十郎さん、ふたりでお話をした機会って全然ないのでは!?
「しかしとんだ災難だな。Aも俺と2人なんて退屈だろう」
「へっ!?いや、私はむしろ嬉しいですけど!!?」
……しまった。考え事をしていたらめちゃくちゃ正直に答えてしまった。
「………そ、そうか」
思いっきり顔を逸らされた。正直かなりショックです。
「……はい」
だってそりゃあ、嬉しいですよ。好きな人と2人っきりなんですから。
「あぁ、そういえば最近こうして2人で話す機会はあまりなかったな」
「ふふ、そうですねえ。いつも政宗がいますから」
「その……Aは何が好きだ?」
「へ?」
私は小十郎さんが好きですけど。
……とは流石に言えず。
いや、それにしても唐突すぎませんか小十郎さん。思春期の娘と何話したらいいかわからないお父さんみたいになっちゃってるよ。
「ふ、あはは……っ」
だ、だめだ面白い。小十郎さん、そんな真顔で言わなくても。
「……笑いすぎだ」
「ご、ごめんなさい……ふ、ふふっ」
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柊ねむる(プロフ) - 九陽さん» お久しぶりです!!ほんとかなりお待たせしてしまって申し訳ないです…!!たまらないとのお言葉頂けて嬉しいです〜!ありがとうございます!! (2020年9月14日 18時) (レス) id: d571f44c73 (このIDを非表示/違反報告)
九陽(プロフ) - ねむるさんお久しぶりです!! あ、元しらぬいです! 元就様……ちょっと慌ててるのもたまりません…!ありがとうございます!! (2020年9月14日 17時) (レス) id: 0e73265dcd (このIDを非表示/違反報告)
柊ねむる(プロフ) - しらぬいさん» わ〜!!本当ですか嬉しいです!左近くんはビデオ通話使いこなしてそうですよね〜!もしかしたら本当にかかってくるかも……!!? (2020年5月29日 8時) (レス) id: 43fabad7ac (このIDを非表示/違反報告)
しらぬい - 今回の左近のお話めっちゃ好きです……!このご時世 本当にビデオ通話をするので、画面に左近が映る気が…笑 左近超可愛かったです!! (2020年5月29日 7時) (レス) id: 0e73265dcd (このIDを非表示/違反報告)
柊ねむる(プロフ) - マナフィさん» コメント嬉しいです!ありがとうございます〜ゆっくり更新ですが頑張ります! (2020年5月23日 14時) (レス) id: d571f44c73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ねむる | 作成日時:2017年7月10日 21時