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「すっ……!!?あ、え!?…………えっ、いま、告白しまし、た?」
「……僕は、そのつもりだけど」
それなりの決心をして臨んだ、人生で初めての告白。
いきなり告白されてさぞ驚くだろう、とは想定はしていたけれど、まさか「いま告白しました?」なんて返されることは流石に想定できなかった。
「う、嘘!?」
「……一応言っておくけれど、僕は本気だからね」
*
そう、僕は本気だ。
実を言うと、今日告白をするつもりではなかった。
……僕の計画ではこの学園祭が終わったら実行するつもりだった。
何ヶ月も前から、綿密に計画を練っていた。この学園祭準備期間に至っては、できる限り僕とAの二人きりで作業ができるように、役員に仕事を割り振った。
しかし、僕はたまたま見かけてしまった。
「学園祭が終わったらAに告白する」と話している野郎を見かけてしまった。
僕の中で、なにかがメラメラと燃えるような感覚があった。
僕が今日Aに告白をして、恋人になったら。
学園祭を「恋人」として、一緒に回ることができる。
「Aは僕の彼女だ」と言わんばかりに見せつけてやれる。
……一刻も早く、Aを僕の彼女にしたかった。
*
「僕はAが好きだ……返事を聞かせてほしい。」
「そんな……ほ、本当なんですか?」
信じられない、本当に、半兵衛さんが私を……!?
半兵衛さんと私で一緒に仕事をする機会はたくさんあったけど……その度に、浮かれているのは私だけなんだとばかり思っていた。
だって半兵衛さん、そんな素振り、全然……
「Aがまだ僕の告白を嘘だと疑っているのなら、何回でも言うよ。僕はAのことが好きだ。君とそういう関係になれたらと思っている」
嘘じゃ、ないんだ。じゃあ、つまり、半兵衛さんと私は……
「わ、私たち!両思い……です!私も……好きなんです、ずっと!半兵衛さんのこと!!」
「A……」
「ひゃっ!?」
……突然抱きしめられてしまった。だ、抱きしめられてしまった!!?
「は、半兵衛さんっ……!?」
「両思いならいいだろう?」
「両思いですけど!でも、その……」
「恥ずかしいのかい?……うん、なら早く慣れてもらわないとね。もっと恥ずかしいこともそのうちするつもりだから」
「が、ガンバリマス」
……これは本当に頑張らないといけないかもしれない。
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柊ねむる(プロフ) - 九陽さん» お久しぶりです!!ほんとかなりお待たせしてしまって申し訳ないです…!!たまらないとのお言葉頂けて嬉しいです〜!ありがとうございます!! (2020年9月14日 18時) (レス) id: d571f44c73 (このIDを非表示/違反報告)
九陽(プロフ) - ねむるさんお久しぶりです!! あ、元しらぬいです! 元就様……ちょっと慌ててるのもたまりません…!ありがとうございます!! (2020年9月14日 17時) (レス) id: 0e73265dcd (このIDを非表示/違反報告)
柊ねむる(プロフ) - しらぬいさん» わ〜!!本当ですか嬉しいです!左近くんはビデオ通話使いこなしてそうですよね〜!もしかしたら本当にかかってくるかも……!!? (2020年5月29日 8時) (レス) id: 43fabad7ac (このIDを非表示/違反報告)
しらぬい - 今回の左近のお話めっちゃ好きです……!このご時世 本当にビデオ通話をするので、画面に左近が映る気が…笑 左近超可愛かったです!! (2020年5月29日 7時) (レス) id: 0e73265dcd (このIDを非表示/違反報告)
柊ねむる(プロフ) - マナフィさん» コメント嬉しいです!ありがとうございます〜ゆっくり更新ですが頑張ります! (2020年5月23日 14時) (レス) id: d571f44c73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ねむる | 作成日時:2017年7月10日 21時