嘘つきはチェ・スンチョルの始まり

7 ページ7

Aside




急に視界が暗くなり顔をあげると




男の人が目の前に立っていた




昨日の事もあり怖くなり小さな悲鳴をあげるとその男の人はマスクを下にずらした




あっ




「ソジュンさん…」




ソジュンさんはお辞儀をしてスマホをタップして画面を見せてきた




｛また会ったね。｝




私は笑顔で頷いた



ソジュンさんも笑顔で頷いた後、私の足に視線を落とした



すると目を一瞬見開き私の手から絆創膏を取りその場にしゃがみ込んだ



「ソジュンさん…？



ッ！？だめです、そんな、汚い、」



なんと私の足をしゃがんだ自分の膝に乗せて靴擦れしていた箇所に絆創膏を貼ってくれた



あまりに驚き、申し訳なくてソジュンさんの肩を押してやめさせようとしたが私の力ではびくともしなくて…



気付いたら綺麗に貼られた絆創膏



SC「…これでいたくないですか？だいじょうぶ？」



日本語でそう言う彼に私の心臓はズクン、と音がした



「カムサハムニダ…ソジュンニム……だいじょうぶ、です」



そう返事すると昨日と同じ笑顔



バサバサまつげに笑った時に見える歯茎





「あっ、すいません」


自分の手がソジュンさんの肩に乗ったままだと気付きパッと離す




ソジュンさんはそんな私に少し微笑んで


私のスマホを指差した



「？？」



SC「ロック、はずしてください」



私はロック解除し彼にスマホを手渡した



何かを打ち込んで耳にスマホを当てる



そのまま自分のスマホの画面をこちらに見せてきたのでそこに目をやると



私の番号からの着信画面




耳から私のスマホを話して私に返し




SC「もっと、はなしたい。よる、でんわします。」




そう言い、連れらしき2人組の元に走っていくソジュンさんの背中を私は見つめる事しかできなかった




私の心臓は相変わらず




ズクン、と音を立ててた

8→←６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す