chapter02 ページ2
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「 なあ 、お前ニンニク食うたか?」
「 あ〜〜 、餃子食べた 」
「 臭いで 、彼氏に会うときくらいそういうの控えられへんの? 」
自分こそ 、彼女に対する配慮はできないのだろうか
嘲笑うように笑う彼は
メディアを通して触れることができる彼とはまるで違う
メディアの向こうで笑顔を振りまく姿とは裏腹に
冷たい視線が注がれる
「 画面の向こうとはだいぶ違うんだね 」
「 え?あんなんアイドルの重岡大毅を演じてるだけやし 」
「 それに騙される人がどれだけいるんだろうね 」
「 お前もその騙されたうちのひとりやろ 」
あながち間違いではない
出逢った頃の彼はメディアに取り上げられる彼と同じで
いつも笑顔を振りまいていた
デビューが決まった前の年のクリスマス
彼から受けた告白に異論があるわけでもなく
付き合うことになった
きっとその時の彼は 、デビューのことでとても悩んでいたせいか
「 たくさん苦労もかけると思うけど 、飽きずに相手してな?」
少し切なそうに言った
「 なあ 、もうちょっと上手に飯作れへんの? 」
その結果が 、これだ
あの時の言葉は 、これに対しての言葉だったのだろうか
「 なあ 」
いまはもう 、名前すら呼んではもらえない
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作者名:ナベ | 作成日時:2018年9月22日 21時