1話 ページ2
ガサッ…ガサッ………
「ハァ……もう……逃げきった……のか……?」
あれからずっと逃げ続けている。裸足だから、もう足はボロボロだ。
先の見えない茂みの中を、手探りで進む。
「んっ………」
やっと光が見えてきた。…が
ダァン…
「うぐっ……ぁ……」
背後から放たれた攻撃が直撃する。ふらつき、倒れたところは……
崖。
「なっ?!」
ガラガラッ!!
ドサァッ……
「う……」
激痛と疲労で、意識が薄れる。
そして落下地点の近くにあったのは河川だ。
「ちょうどいいや……」
傷を癒したかった。傷口を洗うことぐらいはしなければ。
よろよろと近付くと、そこにいた、奇妙な生き物のようなものが目についた。
ソイツは、こちらの存在に気づいていないようだ。
……いや、もしかすると。こういう生き物かよくわからない奴は…
「くそっ…まだ手下が……」
先回りされていたのか……そんな考えばかり浮かぶ。
「とにかくっ……」
最後の力を振り絞る。腰に下げていた刀を抜くと、ソイツに切りかかった。
「はぁぁあああっ!!!」
「?!……っ」
仕留めた。そう思った。しかし…
「…いねぇ?!!」
忽然と消えていた。さっきまでそこにいたのに。
ガンッ
「っ!!……うぅ…」
後頭部に一撃をもらって、ただでさえふらふらだったAは、なすすべもなく意識を失った。
倒れたAを見下ろしていたのは、いつの間にか後ろに移動していた、あの、黄緑色の奇妙な生き物だった。
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作者名:ルビー | 作成日時:2015年8月21日 20時