せんらさんと。【大型コラボ】 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:9,618 hit

＊ページ4

＊side Senra

「え、センラもう帰んの？」
「Aと約束あって」
「あー、なるほどなぁ」

午前中にお祝いしてもらったところで、Aとのデートの時間だ。
が、何だ今の志麻くんの台詞は。
なるほど、って、全部分かっているとでも言いたいのだろうか。
また気持ちが萎む。

「センラじゃーなー！」
「はーい」

決して足取りは重くない。
Aとの時間をとれるだけ嬉しいことだ。
仕事、仕事、配信、仕事でAと居るどころか告白、アピールすら出来ていない始末のこの俺にとって、一世一代の大チャンス到来だ。
ベットは充分、あとはコールするだけだ。

「あ、センラー」
「ちょ、早やないですか？」
「暇だったからね。さ、行こ！」

ぐいぐい手を引いていく姿は普段引きこもっている様子とは全く違い、違和感は無いがギャップ萌えというものはそれなりにあった。

結局Aに付き合い、乗り物をいくつか体験したところで日が沈んできた。
実際に乗っている時間は数分でも、待ち時間は多量なのだから当然だ。

「センラ、あのお店行きたい」
「ええですよ」

Aの指差す、テラスのあるカフェに行くことになった。
この時間帯になると、学生や家族連れは減り、代わりに男女1人ずつの2人組…カップルが増えてくる。

Aが何やら店員に話すと、テラスの1番奥の席に案内された。
テーブルの間隔は絶妙に空いているものだが、ここだけ何故か他と隔離されている感じがする。

「マスクとっても大丈夫だよ」
「もしかして、そのためにここ用意してくれてたん？」
「あはは、やっぱセンラ、察し良いね…うん、予約してたの」
「それで…相談って、何？」
「えーっとね、あ、単刀直入に言うね？」

もう何を言われても動じる気はない。
大丈夫だ。

「センラのことが好き。よかったら私と付き合ってください」
「お幸せに…て、えぇ⁈」
「せ、センラ…？大丈夫…？日本語わかる？」
「いや、何やそれ…フラグまんまやん…」
「何言ってんのかわかんないけど、嘘とかじゃないからね？」
「…そうやなくて…まじか、俺かい」

Aに全てを説明した。
最初からチケットを買ってあったこと、誘おうと思っていたこと、告白したかったこと、志麻くんと付き合っているんじゃないかと思っていたこと。

「なにそれ、センラめっちゃ疑心暗鬼」
「うっさいわ…」
「で、返事は？」
「……ここ出るときに、な」
「けち」

YESしかないことは、分かってる癖に。