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昼間の風に吹かれ爽やかなかっこよさを放っている神山くんとは違った、街灯の下でクールなかっこよさを放つその姿に見惚れながら歩いていると、不意に神山くんが顔を上げた。
目が合ってしまった。
言葉が上手く出ない。
「っ、」
やっほー、の一言がどうもスムーズに出ない。
暗闇の中、見えるか分からないのに、私は胸の辺りで小さく手を振った。
すると神山くんも小さく手をあげてくれて、気付いてくれたんだと分かる。
「来るの早いね」
『ぁ、うん』
神山くんの座っているベンチに、私も隣に腰掛けた。
嬉しくて、彼を見てしまう。
あぁ、今日もかっこいい。
それだけで、避けられていたかもしれない、という不安は忘れてしまう。
『…?』
「ぁ、ううん、何か久しぶりに会った気がしてw」
すると『そうやね』とほんのり神山くんは笑顔になる。
うっかり、「会いたかった」なんて言いそうになる。
「体調壊しちゃったりした?」
数メートル先の公園の地面に視線を向けているその横顔にそう尋ねる。
『ううん、全然元気やで』
「そっか!よかった」
『…振り付けをさ、チームに教えてて』
少しの間が空いて、いなかった理由を教えてくれた。
「ってことは、振り付け完成したんだね!」
『うん、』
やっぱりダンスのことを話す神山くんは少し明るくて可愛い。
「やっぱりチームのみんなは覚えるの早いの?」
『うん、結構早いんちゃうかな』
もう少しだけ、誰も来ないでいてほしい。
まだ集合時間まで時間があるのだから。
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ash(プロフ) - さーさん» さーさん初めまして!温かいコメントありがとうございます(泣)これからも楽しんでいただけるように頑張ります!ありがとうございます!! (2020年7月24日 17時) (レス) id: 8c76b61c28 (このIDを非表示/違反報告)
さー - はじめまして!いつも楽しく読んでいます。神ちゃんの雰囲気が可愛くてニヤニヤしながら読んでいます!更新頑張ってください。 (2020年7月17日 9時) (レス) id: 716768484e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ash | 作成日時:2020年7月1日 19時