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「Aさん、今日久しぶりに飲み会だって！」
「お、久しぶりですね」
「参加できる？」
「はい、できます」
午後の仕事が始まって少しして、そんな話が舞い込んできた。
「あ、せっかくだから隣の部署の人と合同だって」
「そうなんですね、楽しみです」
なんて、そんなの嘘に決まっている。
あれだけ会いたいと願った彼に、会いたくないのだから。
私のことをただの友達だと思っていることは知っていた、でも、好きな人がいるなんてことは知らなかったのだ。
もし彼に好きな人がいなかったら、振り向いてもらえる可能性はある、でも、彼には既に好きな人がいた。
私なんて、見てる暇がないのだ。
その悲しみは、とても大きい。
こちらを見ることもしてもらえないなんて、私が何をしても、真っ直ぐな彼は好きな人だけを真っ直ぐに見つめるに違いないなんて、そんなの、悲し過ぎる。
彼を見ただけで、泣いてしまいそうだ。
「はぁ…」
来るな来るな、と願えば願うほど、それはあっという間に来てしまうもので
気付けば私は全身に鉛を付けているように重い体で、飲み屋の椅子に座って
手にはお酒の入ったグラスを持って、グラスに付いた水滴が垂れるのをぼんやりと眺めている。
「Aちゃん飲んでるー？」
「はい！楽しく飲ませてもらってます！」
「もーAちゃん今日も可愛い！」
「赤坂さんも素敵ですよ」
「あらそう？w」
自分を作り上げるのは上手い私は、顔をにこやかにしたまま、心を暗くした。
どうやら岸を含めた数名は、遅れて来るらしく、まだ彼はいない。
このまま来れなくなればいいのに、なんて思いながら、心の隅にいる会いたいという気持ちを誤魔化す。
「お！きたきた！！」
どこからか聞こえてきたその声に、顔を動かすと、会いたくない彼を含めた数名が『すみません遅れましたー！』と陽気にこちらに向かって歩いて来ていた。
場の雰囲気と真逆に、私の視界が少しだけ歪む。
急いで顔を逸らしてグラスに口をつけた。
「先輩！こっち！こっち空いてますよ！」
不運にも、私の斜め前に座っていた内田さんが、岸に手招きをした。
それに気付いた岸が『おう！』と、彼女が指した、彼女の隣の席に腰掛けた。
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ash(プロフ) - 涼杜兄妹さん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます！ (2020年6月16日 23時) (
レス) id: 8c76b61c28 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - 後輩ちゃんに敵意が出てきました（笑）主人公ちゃんがんばれ！岸くんは怪我とか元気ないの気付けるのに…ちょっと惜しい！気付いてあげて！！ (2020年6月15日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
ash(プロフ) - 涼杜兄妹さん» 焦ったさを伝えられてよかったです！!いつも温かいコメントありがとうございます、今後もよろしくお願いします！^ ^ (2020年6月15日 19時) (レス) id: 8c76b61c28 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - まさかのすれ違いー！！！ものすごく焦れったいです！岸くん玄樹くんや後輩ちゃんじゃなくて主人公ちゃん第一に動いてあげて！！どうなるのか今後も楽しみです♪ (2020年6月14日 17時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
ash(プロフ) - 涼杜兄妹さん» ありがとうございます！お待たせしてすみません(汗) 楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです^ ^ (2020年6月14日 15時) (レス) id: 8c76b61c28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ash
| 作成日時：2020年5月17日 11時
