22 ページ22
.
.
kishi ▷▷
「ねぇ岸ぃ」
『んー？』
「キリいいところまでいった〜？」
『ちょっと待って……よし、終わった！』
時計を見ると意外な時間だった。
今日、俺と岩橋は残業が確定していて、仕事量を見ても長く残業をしなければいけなかった。
しかし全ての仕事を終えた時、時間を確認すると想像していた半分の時間しか経っていなかった。
今日は隣の部署で仕事をしているAも残業で、俺と同じく時間がかかると嘆いていた。
あいつはどこまで進んだだろうか。
もしまだ仕事をしているなら、Aを待てるし、Aと一緒に帰ることができる。
『で、どうした？』
後であいつの部署を覗きに行こう、とワクワクしている気持ちを抑えて、俺を呼んだ岩橋に目を向けた。
「う〜ん…」
俺を呼んだ岩橋は、何だか浮かない顔で椅子の背もたれに顎を乗せてクルクルと回っている。
数回唸って、椅子を止めて、岩橋と目が合う。
「…Aさん、彼氏いるっぽい」
『は？』
彼氏…？そんな話1度も聞いていない。
どうにも信じられなくて、岩橋の言葉を掘り下げる。
『本人が言ってたのか？』
「ううん…、でもこの前会社の前で男の人と仲良さげに話してるの見た。一緒にタクシー乗ってどっか行った…」
『この前って？』
「うーん…1週間くらい前」
あいつが仲良い男の人といえば淳太さんだ。
『ふぅん…、どんな人だった？』
「背が高くてぇ、細くてスタイル良くてぇ、顔が小さくてぇ、ちらっと聞こえたのは関西弁ぽかった」
俺はそれを聞いて思わず安堵の笑顔が溢れた。
何だよ、それ淳太さんじゃんか。
知らない間に失恋したのかとヒヤヒヤした。
『あぁ、それなら』
「？」
『その人は彼氏じゃねぇよ？』
「え、そうなの？」
『Aの昔からめっちゃ仲良い友達だよ』
その人もめっちゃスタイル良くて関西出身の人だから、と、落ち込んでいる岩橋に、大丈夫だよ、と伝えたくて俺は笑顔でそう言う。
でも、なーんだ！といういつもの岩橋の可愛らしい反応がいつまで経ってもない。
それどころか、岩橋の眉間には少しだけシワが寄った。
「ねぇ…」
『ん？』
「なんでそんなこと知ってるの」
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 312人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ash(プロフ) - 涼杜兄妹さん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます！ (2020年6月16日 23時) (
レス) id: 8c76b61c28 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - 後輩ちゃんに敵意が出てきました（笑）主人公ちゃんがんばれ！岸くんは怪我とか元気ないの気付けるのに…ちょっと惜しい！気付いてあげて！！ (2020年6月15日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
ash(プロフ) - 涼杜兄妹さん» 焦ったさを伝えられてよかったです！!いつも温かいコメントありがとうございます、今後もよろしくお願いします！^ ^ (2020年6月15日 19時) (レス) id: 8c76b61c28 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - まさかのすれ違いー！！！ものすごく焦れったいです！岸くん玄樹くんや後輩ちゃんじゃなくて主人公ちゃん第一に動いてあげて！！どうなるのか今後も楽しみです♪ (2020年6月14日 17時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
ash(プロフ) - 涼杜兄妹さん» ありがとうございます！お待たせしてすみません(汗) 楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです^ ^ (2020年6月14日 15時) (レス) id: 8c76b61c28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ash
| 作成日時：2020年5月17日 11時
