可愛くねぇ奴。- 2 -

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取ってもらった資料を抱えて資料室を出ると、ちょうど前から歩いてきた岩橋くんと目があった。



「あ、おつかれ〜」
「お疲れ様」



お互い自然と足が止まった。



「あ、そうだ。今日仕事終わり予定ある？」

「あるけど…、どうかしたの？」

「そっかぁ…そりゃ残念。Aさんとご飯行きたいなって思ったんだよね」

「そうだったんだ、ごめんね？」

「ううん！また誘うね！」

「ありがとう」



じゃ、と別れまた歩き出す。

携帯をチラリと確認すると、1通メッセージが来ていた。
待ち合わせ場所が書かれている。淳太だ。


今日は約1ヶ月ぶりに淳太と会うのだ。


岩橋くんが誘ってくれる時に限って、夜の仕事が入っていたり残業があったりと、予定が埋まってしまっていて申し訳ない。

そう思いながら私はメッセージに、了解、のスタンプを返した。






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「淳太〜」

「っ、A」

「ちょっと、今別の名前言いそうになったでしょw」

「危なかったわw」

「あはは」



会社から十数秒歩いた所に淳太はいた。

1ヶ月ぶりに見るその姿が、たった1ヶ月かもしれないけれどとても懐かしく思えた。

源氏名という名前も、自分が夜の仕事をしていたことも随分と懐かしく感じた。



「なんか…すっごい久しぶりに感じるんやけど」

「私も今それ考えてた」

「そっか…、よし！いくか、いつもの店」

「うん、楽しみ」



淳太が止めてくれたタクシーに、2人で乗り込む。

スマートにエスコートしてくれる彼の姿が、また懐かしく感じた。







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「…誰あれ」







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