検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:91,195 hit

37 ページ37

.




.




仕事を終え帰宅し、テレビを付け部屋でまったりと過ごしながら、もらったマドレーヌを開けようと袋に手を伸ばした時、なんともタイミング良く携帯が鳴った。

なんだなんだ、とマドレーヌに向けて伸ばしていた手を携帯に向けて、手に取れば、電話の主は、このマドレーヌをくれた岸だと気付く。

まったりと過ごしていた体に、キュッと力が入るのを感じながら、携帯を耳に当てると聞き慣れた声が耳元で『もしもし』と言う。
ドキドキして困る。



『ごめん、今電話大丈夫?』
「うん、全然大丈夫」



そう言うと、『よかった』と小さく彼はうなずく。



「それで、どうかしたの?」



すると彼は歯切れの悪い返事をする。
雰囲気を察して私は付いていたテレビを消した。





『あのさ…、岩橋と何かあった?』





それは予想外の質問であったが、私は思い当たるコトがある。



「何で急に?」

『いや…何か2人の雰囲気が前と違うなぁって思って』

「まぁ…うん、あるにはあった…かな」



自然に振る舞っていたつもりだったのに、意外と人のことをよく見ている彼にはお見通しだったようだ。

素直に話そうとするが、怖くなった。突然に。

私のことを友達としか思っていない彼に、“ よかったな ” なんて言われたら悲し過ぎるから。



「…、こ、告白された」

『えっ…………、まじで?』

「うん…」

『な、何の流れでそうなったわけ?!』



恐れていた“ よかったな ”がこなかったことで、少しだけ安心する。



「岸が出張してるときにご飯行ったの。そこでその…恋愛の話になって、それで、うん…」

『はぁ〜まじかぁ……』

「…」

『………で、返事は?』

「…ごめんなさいっていうか……その……好きな人がいるって言った」



岸が好きなの、なんて言う勇気は私には無い。
ただ、誤魔化した所で彼は食いついてくるだろう。
…初めて告げるコトなのだから。





『そっか……………は?!?!?!?!』









.









.

38→←36



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (201 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
312人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ash(プロフ) - 涼杜兄妹さん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます! (2020年6月16日 23時) (レス) id: 8c76b61c28 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - 後輩ちゃんに敵意が出てきました(笑)主人公ちゃんがんばれ!岸くんは怪我とか元気ないの気付けるのに…ちょっと惜しい!気付いてあげて!! (2020年6月15日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
ash(プロフ) - 涼杜兄妹さん» 焦ったさを伝えられてよかったです!!いつも温かいコメントありがとうございます、今後もよろしくお願いします!^ ^ (2020年6月15日 19時) (レス) id: 8c76b61c28 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - まさかのすれ違いー!!!ものすごく焦れったいです!岸くん玄樹くんや後輩ちゃんじゃなくて主人公ちゃん第一に動いてあげて!!どうなるのか今後も楽しみです♪ (2020年6月14日 17時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
ash(プロフ) - 涼杜兄妹さん» ありがとうございます!お待たせしてすみません(汗) 楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです^ ^ (2020年6月14日 15時) (レス) id: 8c76b61c28 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ash | 作成日時:2020年5月17日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。