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「ごめんお待たせっ」
『おー、いや俺も今来たところだから』
何とか今日の勤務を終え、岸と会社のフロント近くで待ち合わせをした。
『どこで飯食うかー』
「んー、今日は落ち着いてるところがいいな」
『じゃあ仕切りがあるような所にすっか』
「うん」
アプリでお店の検索と予約を手早く済ませ私たちはお店に向かった。
駅からほど近くのビル中にある洋食店。
個室とまではいかないやんわりとした仕切りが特徴的な、ゆっくりと話をするには適した造りの店である。
『腹減ったー、何飲む?』
「んー、烏龍茶にする」
お手拭きで手を拭きながらそう答えた。
『え、酒じゃなくていいの?』
「休肝日。明日もお酒飲むから」
『あ、そういうことね』
岸には生ビール、私には烏龍茶が届いて「お疲れ様」と乾杯をした。
うめぇ、と生ビールが疲れた体に染み渡るのを感じながら岸は、ワイシャツの袖を数回まくり、ネクタイを少しだけ緩め、シャツの1番上のボタンを外した。
運ばれてきた料理が非常に良い香りを放っている。
いただきます、と呟いて口に運んだ。
あぁ、美味しい。
『…でさ。』
「?」
もぐもぐと咀嚼をしながら顔をあげると、同じようにもぐもぐと咀嚼をしている岸。
ただ彼は私を見ずに、お皿の上の料理を箸で食べやすいように寄せていた。
『何かあった?』
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作者名:ash | 作成日時:2020年1月20日 21時