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「源氏名さん」
「?」
「今お時間よろしいですか?」
「はい」
ドレッサーの前で身なりの最終チェックをしていると控えめに扉が叩かれた。
ひょっこりと顔を覗かせたのはこの店のボーイだった。
「どうしました?」
「オーナーから伝言です」
「淳太から?」
「はい」
失礼します、と部屋に入ったボーイは静かに扉を閉めた。
「……“ あの方 ” がお見えになるそうです」
心臓が、ギリリ、と鈍く動いた。
「予約が入ったんですか?」
「はい、先程電話がありまして」
「そうですか…、NO.1の紹介はまだですよね?」
「はい」
「あと幾らくらいで “あの人” は淳太から声がかかりますか?」
「あ、それは後で計算して、でも今日中に知らせると仰っていました」
「そうですか…」
「今日源氏名さんの所に行けないことは確かです」
「そうですね、分かりました。忙しいのにわざわざありがとうございます」
「いえ!とんでもないです、では失礼します」
彼が出て行った部屋で私は、鏡の自分と見つめ合った。
間接照明が瞳に映って、何だか目が煌めいていた。
「…大丈夫。」
もうそろそろお店が開く。
私は香水を一振りして、部屋を出た。
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作者名:ash | 作成日時:2020年1月20日 21時