4 ページ4
.
.
「あれ、西畑君？」
「刑事さん…！」
次の日
私は起きた事件についての新しい資料を確認しに別の署に向かっていた。
その道中、ふと西畑君のことが頭をよぎり、ちょうど下校の時間だということもあって、彼と初めて会った公園に顔を出そうとしていた。
「久しぶり、あれからどう？」
「刑事さんたちのおかげで、もう何っにもないです！」
「よかった、元気そうで私も嬉しい」
相変わらずニコニコしていて、ちらりと見える八重歯が可愛い。
「僕の両親からも刑事さん達にありがとうございましたと言ってました」
「あ、いえ…」
そっか、そういえば西畑君は一人暮らしだと言っていたんだ。
「一人暮らし、不安じゃない？」
「んー、意外と大丈夫です！」
「でもどうして、高校生で一人暮らししようと思ったの？」
すると西畑君は、ポツポツと話してくれた。
「…僕、中学生の時いじめられてたんです。
だから高校は、地元の人が誰もいない所に行きたくて…
そんな時に、いじめられてた僕にたった1人、ずっと変わらない態度で接してくれた親友がいたんですけど、その人から
“ 俺美容師になりたいねん。早くから流行とか知りたいし専門学校に通いたいから上京する ”
って聞いて…
なら僕も一緒に上京して、心強い親友がいる高校に通おうって決めたんです。」
“ いじめられていた ”
その事実はとても辛い記憶のはずなのに、西畑君の表情はとても柔らかく、どこか嬉しそうだった。
きっとその親友が、西畑君のことを沢山助けてくれて、西畑君にとって心の支えで、大好きなのだろう。
「その彼は、本当に素敵な人なんだね」
「はい、とっても。」
「友達は自分の鏡だと私は思うの。だから西畑君のお友達も素敵な人なんだね」
「刑事さん…」
「自信を持ちなさい？西畑君」
ね？、と目を合わせると西畑君の大きな瞳がツラツラと揺れていた。
私はその浮かんでいる涙に気づかないふりをした。
「気をつけて帰ってね」
戻った車内で1度伸びをして、お茶を飲む。
「ょし、行こ。」
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 294人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ash(プロフ) - るいさん» 嬉しすぎます…ありがとうございます…！！一生懸命書きますのでこれからもよろしくお願いします…(泣)るいさんからのコメントこれからも心からお待ちしております！！ (2019年6月7日 22時) (
レス) id: b40656dd38 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - 間違いなく、わたしが今1番大好きで更新を心待ちにしているお話です！これからも楽しみにしています(*^^*) (2019年6月7日 22時) (レス) id: d1e23dd89a (このIDを非表示/違反報告)
ash(プロフ) - さきたろさん» まとまりがあるかがとても不安だったのでさきたろさんのお言葉がすごくすごく嬉しいです(T T)本当にありがとうございます！こちらこそお忙しい中読んでくださりありがとうございます！さきたろさんからのコメント心からお待ちしております！ (2019年5月14日 19時) (レス) id: 27789ffdf4 (このIDを非表示/違反報告)
さきたろ - コメント失礼します。この作品すごく好きです！とても面白くて1からノンスットップで拝読しました。文章にまとまりがあり、読みやすいです！お忙しいと思いますが更新頑張ってください！応援しています！ (2019年5月14日 10時) (レス) id: fdeb90d7fb (このIDを非表示/違反報告)
ash(プロフ) - 一波さん» ありがとうございます！！期待に応えられるように頑張ります…！！また一波さんからのコメント心からお待ちしております！！ (2019年5月13日 0時) (レス) id: 27789ffdf4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ash
| 作成日時：2019年5月12日 18時
