全てを捨てて、ここに来て - 2 -

6 ページ6

.





いつもなら帰っているか帰ってないかの時間に、ベッドにゴロンと横になった。




「あぁ……幸せ……」




手探りで携帯を手繰り寄せ、携帯を開くと
小瀧君から新しいメッセージが届いていた。



ドキリと胸が高鳴って、1人で顔が熱くなるのを感じながらメッセージを開くと、

『今日もお仕事お疲れ様です！』

という言葉に続いて約束した食事の日時の相談が書いてあった。



私はそれに都合のつく日時を書いて返信する。



するとあっという間に既読がついて___





『あれ、今日Aさんからの返事が早い！w』

『お仕事早く終わったんですか？！』

『もしかして風邪で寝込んでるとか…』





思わず頬がほころぶ。


私の返信する時間を分かっているあたりとか


“返事が早い→いつもと違う→何かあった！”

の思考回路ができるところとか




…すごく好き。






【 大丈夫！w 今日は出張みたいなことをしたから直帰できたんだよ】

『なんやよかったです！』





.





ﾌﾞｰ、





.





『ご飯行く日、風邪ひかんといてくださいね？！w』





.





ﾌﾞｰ、





.





『でももし風邪ひいちゃったら俺が看病するんでどっちにしろ連絡ください！！』






.





「…」


「あー、……やっばいな、」






顔が熱い。


ご飯行けるのも嬉しいのに、彼は風邪をひくことすら嬉しいことにしてくれるんだ。


ご飯も行きたいし、風邪だってひきたい。





【分かった、気をつけるねw】
【移ったら困るのでダメですw】





看病して欲しいくせに、天邪鬼すぎる答え。

…小さい子供のように、素直に言えたらきっと可愛いんだろうな。






.






.

7→←5

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す