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聴取を終え、そのまま報告書に移ろうとパソコンのスイッチを入れると、『休憩せなあかん』という濱田先輩の優しい言葉と、温かい紅茶のペットボトルがデスクに置かれた。
ありがたく受け取って、携帯をポケットに入れ、屋上へ向かう。
厳密に言うと、屋上は冬の風が吹いていて寒いから、屋上へ繋がっている扉の前の階段に腰かけた。
紅茶は温かく、階段は冷たい。
「あったか…」
もう一口飲んだ時、ふと思い出したのは記憶に新しい昨日の夜のことだった。
“ 俺に用があるんとちゃうんですか? ”
彼は何故そんなことを言ったのだろう。
私は彼とどこかで会ったことがあっただろうか
いや、初めて会ったはずだ。
彼は何か、あの淳太の店で担当していることがあるのだろうか。
「……やめよ。」
休憩しにここへ来ているのに、推理していたら仕事しているのと変わらない。
私は考えることをやめ、またいつかあの店に行った時に淳太に聞こうと決めた。
「…ょし、」
休憩を終えようと腰を上げたその時、タイミング良く携帯が小さく震えた。
見てみると照史からの飲み会のお誘いだった。
この文はグループの方で送っているから淳太にも届いているはずだ。
行けるよ、とそう返信をして私は階段を降りた。
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作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時