検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:142,124 hit

8 ページ9

.



.




聴取を終え、そのまま報告書に移ろうとパソコンのスイッチを入れると、『休憩せなあかん』という濱田先輩の優しい言葉と、温かい紅茶のペットボトルがデスクに置かれた。



ありがたく受け取って、携帯をポケットに入れ、屋上へ向かう。

厳密に言うと、屋上は冬の風が吹いていて寒いから、屋上へ繋がっている扉の前の階段に腰かけた。




紅茶は温かく、階段は冷たい。




「あったか…」




もう一口飲んだ時、ふと思い出したのは記憶に新しい昨日の夜のことだった。



“ 俺に用があるんとちゃうんですか? ”



彼は何故そんなことを言ったのだろう。
私は彼とどこかで会ったことがあっただろうか

いや、初めて会ったはずだ。

彼は何か、あの淳太の店で担当していることがあるのだろうか。





「……やめよ。」





休憩しにここへ来ているのに、推理していたら仕事しているのと変わらない。

私は考えることをやめ、またいつかあの店に行った時に淳太に聞こうと決めた。




「…ょし、」




休憩を終えようと腰を上げたその時、タイミング良く携帯が小さく震えた。

見てみると照史からの飲み会のお誘いだった。
この文はグループの方で送っているから淳太にも届いているはずだ。



行けるよ、とそう返信をして私は階段を降りた。






.






.

9→←7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
475人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。