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私も淳太も照史も、お酒は強い。
その中でも淳太が1番強いのだけれど。
飲み進めて、私はほろ酔い、照史は酔って床で丸まって寝ていて、淳太は何も変わらないといういつものパターンが今日も完成した。
「A、水」
「まだ大丈夫」
「あかん、そのへんにしとき」
照史には適当に毛布を掛け、私には冷たい水を飲ませる。
これも淳太のいつものパターンだ。
「Aは今日は事件解決して1番緊張がほぐれるんやから、酔いが回るのも早いはずやから、な?」
「んー…」
「はい、飲んで」
「はい」
コップ1杯の半分まで飲んで、ある事をふと、思い出した。
「あ、そうだ。ねぇ、淳太」
「ん?どした?」
「……昨日店にいた彼は、誰?」
グラスを傾けていた淳太の手が止まる
「……彼って?」
「いたじゃん、若い男の人」
「…どんな人?」
「背が高くて淳太と同じ関西弁で、やけに顔が整ってる人」
グラスの中の氷を見つめる淳太は、今何を考えているのだろうか。
「なんか、女慣れしてる感じの人」
「っ、もしかして何かされたんちゃうやろな」
淳太にしては珍しく焦った様子でこちらをみている
「ううん、何も。何かって何?」
「いや、何もなかったならええねん、うん」
「お手洗いから出たらスタッフ専用の部屋の扉が開いててさ、閉めとこって思って閉めたら中に彼がいたみたいで、扉が中から開いて私にバンッてぶつかったの」
「おぉ、大丈夫か?」
「あ、うん。それは全然。無傷」
「よかった」
「ごめんなさい〜、っていう会話をした」
「あぁ、なるほどな」
「うん」
で、彼は誰?ともう一度聞くと、少しの間が空く。
「ごめん、ちょっと聞いてええか?」
「ん」
「Aはさ、その人のこと、かっこいいって思う?」
「分からない」
「そっか」
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淳太は彼を “ 小瀧望 ” と言った。
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「望は関西から引っ越してきた俺の友達の知り合いでさ」
「そうなんだ」
「俺は店の2階に住んでて、望は3階に住んでる」
「へぇ」
「俺の店でアルバイトとして働いてくれてんねん」
「へぇ」
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“ 俺に用があるんとちゃうんですか ”の謎は解決しなかったが、 “ 小瀧望 ” は私より年下らしい。
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作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時