ハートの弓矢は奥深く ２

白く雪のような姫みたいに ページ44

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「…ん…」






目を覚ますとカーテンの隙間から朝日が差していた。

時計を見て、思ったより早くに目が覚めたことに驚く。






「あっ…」






体にぴったりとくっついてくる布団の感触と、彼の姿が目に入って自分が何をしていたかを思い出した。

それと同時に恥ずかしさと嬉しさがこみ上げてきて、布団をぎゅっと握りしめた。





隣の彼はまだ夢の中。





こっそり少し体を起こしてみると、よく聞く腰の痛みとやらを感じてまた恥ずかしくなる。


ベッドの周りには昨日まで着ていたはずのお互いの服や、使用済みのゴム製品が落ちていた。





( ほんとにしたんだ… )





すっかり目が覚めてしまい、隣の彼の寝顔を眺めることにした。

相変わらず睫毛が長い。

肌も綺麗だし。

髪の毛もツヤツヤのサラサラだ。



どれか１つでいいからそのうちのどれかを分けて欲しい。





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好きだなぁ






なんて、幸せでしかない気持ちで溢れた。

その気持ちは、私にいつもなら絶対にしない行動をさせた。





「…」





まだ眠っている彼に、そっとキスをした。





「……んぅ」





キスをしたら目覚める、なんてどこかのプリンセスみたいだ。

今起きたばかりなのにニヤニヤしながら顔に腕を乗せる彼。





「朝から贅沢やな」





寝起きの掠れた声でそう言うと、お互い何も身につけていないのに、そんなの御構い無しで私を長い腕で包み込み

私のおでこに可愛らしい音を出してキスをした。






「おはよ、A」






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