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健人side
「健人せんせー！」
「マリ、席着いて。ついさっき別れたとこでしょ？」
「う〜ん、わかった！」
1限の小学部のクラス入ったら、マリに飛びつかれた。
この子はほんと人懐っこい。可愛いからみんな許しちゃうのがまた悪いよな。で、何よりやばいのは英語めっちゃ喋れるから教えることがないこと。
「マリウス、座りなさい」
「だってぇ…」
「ほら。本持ってきたからこれ読んでて」
小学部の英語なんてさ、超簡単なことしかやらないからマリには暇すぎて、落ち着きがゼロなんだよ。
これが割とずっと問題になってて、去年からマリには毎回英語の児童書とか読ませて、その感想を英語でディスカッションすることにした。各々のレベルに合わせた教育がうちの謳い文句だから。その分俺の労力めっちゃ使ってるけどな！！
キーンコーンカーンコーン
「じゃあまた来週。ちゃんと宿題やっとけよ〜マリは今日寮でな」
1限、無事に終わって2限はあきコマ。職員室でもうすぐ始まる寮面談の準備進める。勝利今年めっちゃ偉いな。1回しか罰受けてないじゃん。去年と大違い。
「中島、半分やるわ」
「お、ありがと。」
「聡、今日の夜罰だから」
「は？なんで？」
「これ」
マジか。スマホの学校持ち込み…か。菊池曰く、1限の数学で取り上げたらしい。ったくもう。いらないことばっかするな。
コンコン
「失礼しまぁす。菊池先生、生徒会今日どうする？」
「コラ敬語。やることあったっけ？」
「大ありだよ。新メンバーの書類とか」
「あ〜意味無いやつな。お前取るようじゃ意味ないわ〜」
「うわっひっど！」
勝利と菊池が生徒会の相談してる。まぁな、勝利去年酷かったからそう言われても仕方ないな。
「じゃあそういうことで。よろしく〜」
話まとまったらしい。てか俺も、3限行かなきゃだ。
勝利たち中3の授業は長文読解。予習は必須。してなかったら授業の意味ないからね。
「じゃあ(3)、佐藤」
「ぇ…まじかよ…」
勝利が焦ってめっちゃ考えてる。こいつ予習してねーな。
「3秒な。3、2、1。終わり。じゃあ〇〇」
「はい。〜…」
「ん。正解。…」
叱ること増やさないでくれよな。落ち込んで座ってる勝利を見つつ、どんどん授業は進める。
「はーい、じゃあ今日はここまで。予習ちゃんとやれよ〜佐藤、前」
「はぃ」
授業の終わる直前、黒板の前に呼ぶ。
「予習は？」
「すみません」
「5回な」
勝利も慣れてるからすぐ黒板に手着いてお尻突き出す。
ビシィン！ビシィン！ビシィン！
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年11月13日 3時
