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健人side
はーぁ。失敗した。嫌われることはよくあるし陰口なんて言われたい放題だけどさ、勝利と聡はなぁ…特別気にかけてるから。ちょっと傷付く。
そう思えてた朝は良かったんだよな。1限で勝利のクラスで授業始めて、勝利が全然ノート取ってないから声かけた。
「勝利、ノート取りなさい」
「…」
「勝利」
「…はぁ。佐藤、前」
「…」
何言っても無視よ。でも勝利1人のために授業止めるわけにもいかなくて。放置したけどこれはヤバいと思って、授業終わってすぐに勝利のとこ行って話そうとした。
「勝利」
ほっぺた挟んで顔上げさせようとするんだけど、抵抗がすごくて。もうすぐチャイム鳴るしで結局何も話せないまま。
3限の聡も同じ感じ。周りの奴らもどうしたんだって感じで見てるし、聡に怒られるぞって声かけてくれたりしたんだけどダメ。どうしても許せなかったんだな…。俺のこと。
それでさすがに落ち込んで、職員室で作業しながら放課後どう話そうか悩んでたら菊池が声かけてくれた。まぁちょっと何してんだよって顔されたけど、呼び出すって言うから。
5限を自習にして、聡が菊池に呼ばれて出て行ってから、俺も行こうとしたら聡と1番仲良いやつに呼び止められた。
「先生」
「どした？」
「聡のこと…怒る？」
「話聞いてから考えるけど注意はする」
「…でも、聡困ってたから…勝利先輩がやるって言うからやるけど…健人先生困ってるし…って」
「はぁ。ありがとな。教えてくれて。よく話聞くから大丈夫」
「うん」
そういうこと…か。ちょっとトラウマ引っ張り出しちゃってるかもだな。
相談室行ったらもう3人がいた。
「遅い」
「悪い…っしょ」
気まずい顔で座ってる2人の前に菊池と並んで座るけど。これ、どうすんの？俺が話すの？菊池の方チラッて見たら顎でんってやってくるし。
仕方ないか。
「勝利、聡、マリのこと馬鹿にしたつもりはなかったんだよ。でもそう思わせてごめんね。マリと同じ部屋だと、テスト期間は息抜きできる時間がないかなと思ったの」
「ゎかってる…ごめんなさぃ」
勝利が下向いたままちっさい声で言ってきた。
「わかってたのに…勉強疲れてて、イライラして、ほんとは…お菓子やりたかったから…」
あぁ…そういうことか。図星すぎたんだな。まだ中学生だもんな。
「勝利、ごめんね。今日から先生の部屋でしていいよ」
「中島」
「いいだろ別に。みんな暗黙の了解みたいなもんだし。その代わり、みんなには秘密だぞ」
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年11月13日 3時
