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健人side
俺と菊池で分担してる。俺が文系科目全般、菊池が理系科目。質問がない間はちょっとぼーっとしてるやつに声かけたり、ちゃんとやってない奴廊下に呼んで叱ったり。
それで見回りしてたんだけど…この子はどうしようかね。スヤスヤ寝息立てて気持ちよさそうに寝てるマリ。まぁマリはテストないし、遊んでくれる人がいないからここにいるだけなんだけど、気になるやつは出てくるよな…
「マリ、マリ…」
「ん…んっ〜っんーー」
「しーっ!自習室だよ。眠い?」
「ねぅ〜」
「じゃあお部屋戻ろっか」
「やぁだぁ」
えぇ…駄々こねるのは困るぞ。
「マリウス、勉強しないなら自習室から出なさい。どうするの」
かわいそうだとは思うけど、周りの迷惑になることは許せないから低い声で言ったら半泣きになってる。ほんとどうしようかな。
「中島先生、あそこは?」
菊池に肩叩かれて振り向いたら、質問コーナーの横のスペース指さしてる。まぁ、あそこならいいかな…
「マリ、あそこ移動しよう。荷物持っていってあげるから。ほら」
「ん〜」
ちょっと不服そうだし眠そうだけど、立たせたら菊池が腕引いて連れてってくれた。ちょっと休憩スペースとして寝転がれるようにしてるんだよね。もう横になって寝始めてる。明日からどうしよう。まだ小学生だもんな。こんな時間に眠いだろうし。
「先生」
「はいはい。質問?」
「ん、数学です」
「今空いてるから行っといで」
「はい」
菊池に目配せしたら質問受け始めた。マリはもうぐっすり熟睡。このままだと寝たまま部屋運ぶことになりそうだな。
「10時なったから、みんなキリいいところで終わらせて、机綺麗にしてから部屋戻りなさい。11時の消灯守りなさいよーお疲れ様」
「中島、俺マリ抱っこしていくから点検頼むわ」
「了解。ほらー忘れ物ないか確認しろよー」
菊池が寝てるマリ抱っこして下降りてくれて、俺も点検終わらせて下降りて、勝利たちの部屋覗いたらマリのこと起こさないように静かに寝る準備してた。
「マリと同部屋でごめんな。おやすみ」
「なんでそんなこと言うの?ひどい」
「ぃや…」
別に他意はなくて、いつも自習が終わった後ってお菓子パーティーしたりいっぱい盛り上がって喋る子達で割と賑やかになるのが恒例だからさ。静かに静かにってやってたら息抜きできなくて辛いかなって思っただけなんだけど。
思った以上に反感買ったらしくておやすみも言ってくれなかったよ。失敗した。
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作者名:ゆう | 作成日時:2022年11月13日 3時