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煩悶 ページ3

「Aさん!!」

「うわっ!」

佐浪の後ろから抱きついて脅かしてきたのは、もう顔を見ないでも分かる、山本由伸だ。

「Aさんほんまにビビリやなぁ笑」

「もうわかったから離れろって!笑」

身を捩るが、解放される気配は全くない。この山本が鶴見の煩悶の種だった。生まれてこの方、恋愛には興味がなく、思春期にはLGBTQについて調べ、恋愛をしない人もいるという事実まで到達。自らもそうであると考えながら入った球界で鶴見がもしかしたら恋をしたかもしれないと2年ほど思っている相手。それはもう恋であると気づきつつも自分の中での答えはNOとしていた。

「いい匂いなんやもん」

そう言うと首に顔を埋められて深く息を吸うから、もう勘弁してほしい。こうされる度に何も考えないことを考えているなんて梅雨知らず。好きかもと思ったあの日からあまり関わらないでおこうなんて鶴見の画策を微塵子ほども知らない山本は、その思いと比例するように見事に鶴見に懐いた。

「やめやめ!笑 この前柔軟剤教えただろーが」

「なんかちゃうんすよ。それ使ってるんすけど、匂いが違う。」

「これからもこうしてくっつくつもりなの?そんなんむr、」

「はい」

自分の質問に否定で自問自答しようとした鶴見を遮って、悪びれもなく山本は言った。

「なし!却下!」

「いいやん減るもんじゃないですし。」

「そういう問題じゃないし。」

「多分体の匂いなんすよ。Aさんの。」

「っ、ないない、アホ!」

無意識の爆弾発言に今までどれほど対応してきたかわからないが、慣れる気配は全くない。シャンプーもボディーソープも同じやし、と指を折りながらお揃いの匂いをカウントしていく山本が隣を歩く。焦ると小1が吐くような悪口しか言えなくなってしまう自分に辟易としてぐったりとダグアウトに座り込んだ。







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フジ(プロフ) - もぴさん» ありがとうございます!何度も読んでいただけているの、とっても嬉しいです!!!繁忙期とストック不足が重なって少しずつの更新になってしまいますが、完結目指して頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (11月13日 19時) (レス) id: 81470cd1e1 (このIDを非表示/違反報告)
フジ(プロフ) - 天翔*さん» 2人の気持ちが再会できてよかったです笑 これからも天翔*さんの展開を想像しながら気長にお待ちいただけたら嬉しいです! (11月13日 19時) (レス) id: 81470cd1e1 (このIDを非表示/違反報告)
もぴ(プロフ) - 何度も読み返している大好きなお話です!この先の更新も楽しみにしています! (11月9日 20時) (レス) id: 14fd480e3d (このIDを非表示/違反報告)
天翔*(プロフ) - もう本当にこの展開を待ってました。最高すぎます… (11月8日 19時) (レス) @page30 id: 0e0fd021ce (このIDを非表示/違反報告)
フジ(プロフ) - 大津さん» ありがとうございます!もう最後までストーリーは決まっているのですが、期待に応えられるような展開になっているかドキドキです笑 これからもよろしくお願いしますー! (10月29日 22時) (レス) id: 81470cd1e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pH | 作成日時:2023年9月19日 18時

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