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空音 ページ15

『それでは、定刻になりましたので、会見を始めさせていただきます。』

『山本選手は同席しないのですか?!』

「本件について会見を開くにあたり、山本の同席は必要ないと球団と私で判断しました。今後、質問は質疑応答の時間にお受けしますので、それまでは。」

長いテーブルの中央に座る鶴見を見て、始まった会見の腰を折るように不躾に投げられた質問。鶴見は毅然として対応し、話し始めた。

「本日は、お足元の悪い中、お集まりいただきありがとうございます。今回、報道がありました、私鶴見と、同球団所属、山本の記事について説明させていただきたく、この場を設けさせていただきました。」

鶴見は淡々と話していく。その説明は鶴見が山本へ一方的に恋愛感情を募らせていた、と言うものだった。その様子は中継されており、それを見た世間からのさまざまな声がSNSに溢れた。飛び交う野次を司会者が遮り、続けるように促す。

「本件の責任をとりまして、昨シーズンをもって現役を引退し、退団することで球団側とも話がまとまっています。この度の私の行動により、不快な思いをさせてしまった方々、そして山本選手、申し訳ございませんでした。」

深々と頭を下げる鶴見に、多くのシャッターが切られる。質疑応答に移り、多くの質疑に真摯に応答する中、最後の手が上がった。

『光丘新聞社の小原と申します。山本選手の同席は不要であると判断したとのことですが、今後、山本選手からの説明はないということでよろしいでしょうか。』

「はい。公式には予定していません。山本は優しいですから、これから先、私を擁護するような発言があるかもしれませんが、真実は今私が申し上げた通りで、これ以上でもこれ以下でもありません。」

鶴見がそう言い切って、実質の引退会見は幕を閉じた。礼をして会場を出ると、待ち受けた球団職員に囲まれて深く息を吐いた。自分のプロ野球人生が走馬灯のように頭を駆け巡る。野球人としての鶴見はたった今死んだ。失ってから今さら、自分はまだ野球がしたかったんだな、と未練たらたらの自覚をするが、自分の野球より山本を守りたくなってしまったのだから仕方がないのだ。そう決めたのは自分自身。頭を下げる首脳陣に頭を上げるように促し、感謝を告げた。

「今まで、ありがとうございました。少し遠くから応援してます。」

最後まで謝ろうとするコーチに困った顔で笑う佐浪は、その場の誰にも野球への未練を感じさせなかった。








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フジ(プロフ) - もぴさん» ありがとうございます!何度も読んでいただけているの、とっても嬉しいです!!!繁忙期とストック不足が重なって少しずつの更新になってしまいますが、完結目指して頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (11月13日 19時) (レス) id: 81470cd1e1 (このIDを非表示/違反報告)
フジ(プロフ) - 天翔*さん» 2人の気持ちが再会できてよかったです笑 これからも天翔*さんの展開を想像しながら気長にお待ちいただけたら嬉しいです! (11月13日 19時) (レス) id: 81470cd1e1 (このIDを非表示/違反報告)
もぴ(プロフ) - 何度も読み返している大好きなお話です!この先の更新も楽しみにしています! (11月9日 20時) (レス) id: 14fd480e3d (このIDを非表示/違反報告)
天翔*(プロフ) - もう本当にこの展開を待ってました。最高すぎます… (11月8日 19時) (レス) @page30 id: 0e0fd021ce (このIDを非表示/違反報告)
フジ(プロフ) - 大津さん» ありがとうございます!もう最後までストーリーは決まっているのですが、期待に応えられるような展開になっているかドキドキです笑 これからもよろしくお願いしますー! (10月29日 22時) (レス) id: 81470cd1e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pH | 作成日時:2023年9月19日 18時

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