レンタル彼女

高校時代の彼女 2 ページ16

ガタッ





「あっ、やば」



『もう何やってんの〜笑』






驚きすぎてお酒を零してしまった。
必死で拭く俺を横目にAさんは笑いながらまた赤ワインを飲んだ。






「そりゃびっくりするででしょ…
元カノがレンタル彼女なんてさ…驚かない人の方が珍しいよ」






驚かない人なんていないでしょ！！






『でも楽しいよ？
色んな人がいるけどちゃんと愛してくれるの』





「……」






Aさんの横顔は何処か寂しそうだった。






「なんでその仕事やってるの？」



『その人の笑顔が見たいから、っていつも答えてるよ』



「ん？どういうこと？」




『笑顔が見たいからっていうのは嘘じゃないけど
本当は誰かに愛されたいだけなのかもしれない』






いくら馬鹿な俺でも
簡単な言葉に聞こえてとても意味深な言葉だとわかった。






『ソクミンくん、私間違ってるのかな。』






そんな潤った瞳で見つめられても
俺なんかにわかるわけないのに…






「Aさんは俺になんて言って欲しいの？」






Aさんはカウンターに顔を伏せて俺の方に顔を向けた。





『''俺が愛してあげるよ''って言って欲しいかなぁなんて』






お酒が回ってるせいか
普段の彼女なら絶対言わない言葉にただ焦った。





しかも悪戯っぽく笑うからもう我慢できなかった








「っ……俺が、、愛してあげるよ」





残ったお酒を飲み干し、勢いで彼女の手を握りBARを出た。









『なんであの時私がソクミンくんと付き合ったと思う？』




「それ俺が聞きたいんだけど」








お酒の力って凄くて
結局ホテルでやることやってしまった…






広いベッドに2人で抱き合ってるなんて
数時間前の俺は思ってなかっただろう、、








『私も好きだったからだよ』




「えぇ、嘘だ！全然話したことなかったのに」




『ソクミンくん、かっこいいって有名だったんだよ？』




「えええ？！そんなの聞いたことないよ、」






まあ確かに同窓会でかっこよくなったって言われたけど、、



高校時代そんなモテなかったよ俺…






『明るくて面白くて人気者だったもん』




「まあね〜笑」




『彼女、今いたりするの？』




「いたらこんなことしないよ、笑」




『そっか笑』







「今でもAさんのこと好きって言ったらどうする？」








思い切って言ってしまった。





きっとこれでAさんとは最後だと思ったから

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