４４：その人を想う表情は ページ44
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W『 …金木犀の香り、知らないんだ。韓国では咲かない花だから 』
「 …そう、なんですか…… 」
それなのに、ウォヌ先輩は金木犀を知っていた。きっと ある人 に教えてもらったんだろう。その金木犀のことを、こんなにも切ないという表現がぴったりな表情で思い出している。…ある人 は恐らく、彼にとってとても大切な人だったんだろう。大切な人って、そんなの……。
「 ………好きな人が、金木犀、好きだったんですか…？」
こんなこと、聞くつもりなんてなかったのに。自分の中で勝手に行き着いた答えを、私は気付けば疑問に変えて先輩にぶつけてしまっていた。
先輩の切ない表情。ソラの寂しさを浮かべた横顔。ミンギュくんの困ったような笑顔。…それらが全て1つのピースで、完全にではないといえ、はまるべきところにはまった感覚。そうなるともう、答えは1つしかなかった。
私の不躾な質問に、先輩は怒らなかった。少しだけ微笑むと うん と頷いた。
……予想が事実に変わったのは、明らかに、私のせいなのに。聞かなければ良かったという思いを、拭い切ることなんて出来なかった。
「 ……まだ、好きなんですか…？」
これ以上傷付きたくないという思いよりも、先輩のことを知りたいという気持ちが勝ってしまった。自ら首を絞めていく私の声は、情けないことに、掠れていた。
W『 ……ほんとは、ホッとした 』
組んだ自分の手に目を落としながら、そう言った先輩。私の問いに対する答えではないそれに、面食らってしまった。
W『 …金木犀の香りなんて、俺1人で知りたくなかったから 』
「 …っ 」
W『 あの子に教えてもらわなきゃ意味がないんだって、ずっと思っちゃっててさ 』
「 ……先輩… 」
W『 …だから、Aがあんまり具体的な答えを教えてくれなかったことに、申し訳ないけど……ホッとしちゃったんだ、正直 』
耳を塞いでしまいたくなった。目も、瞑りたくなった。誰かを思い出す彼の声なんて聞きたくないし、誰かを想って切なく…そして甘い表情を浮かべる彼の顔なんて、見たくもなかった。
W『 ……叶いっこないのにな、こんなに想ったって 』
「 … 」
W『 ……あの子はもう、幸せそうに笑ってるのに 』
先輩の組まれていた手が、いつの間にか拳になっていた。力を入れ過ぎているせいか、別の理由かはわからないけれど、その拳は微かに震えていた。
目を逸らしたくなった。見ていられなかった。こんなにも悲しそうに微笑む先輩を。
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アオコ(プロフ) - るるるさん» ミョンホにはこれからもどんどん動いてもらう所存です（言い方） (2020年10月12日 20時) (
レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ミョンホ〜(*^ーﾟ)b ｸﾞｯｼﾞｮﾌﾞ!! もう〜〜うぉぬくん…熱上がっちゃう((〃´д｀〃)) (2020年10月8日 16時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
アオコ(プロフ) - るるるさん» るるるさん〜！こちらこそお久しぶりです！！チャイナ組には大活躍して頂きたい願望があるので（願望）、たくさん書けるようにか頑張ります！わかります…どんだけ美味しいお肉出てきても多分無味に感じますね… (2020年9月30日 23時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - アオコさん、お久しぶりです〜！チャイナ組が登場しててめちゃくちゃテンション上がりました！おぬ君とじゅんぴとはおちゃんとランチなんて…顔面が眩しすぎて緊張でご飯喉を通らなさそうです笑 (2020年9月29日 21時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
アオコ(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます〜！私もうるさい人種だからか個人的に賑やか方めちゃくちゃ好きなので騒ぎまくりましょう…？！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオコ | 作成日時：2020年9月16日 22時
