４２：彼の言葉は魔法みたいで、そして唐突だ ページ42
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ウォヌ先輩の言葉は、魔法みたいだ。さっきまで暗雲が立ち込める空のように、モヤモヤと私の心を覆っていた何かを、そのたった一言で吹き飛ばしてしまうのだから。暗かった空に太陽の光を齎して、明るくしてしまうのだから。
先輩は、私の言葉に 良かった と口角を上げた。そんな彼を 先輩 と呼ぶ。
「 …私の風邪が治ったら……ごはん、奢らせてください 」
W『 …お礼のつもりなら別に良いけど？』
「 そんなんじゃないです。いや……それも少しはありますけど… 」
W『 何だそれ(笑) 』
ははっ と控えめに声を出して笑った先輩を 笑わないでください と軽く睨み、彼の目の前にあるコンビニの食べ物を指差す。
「 …これより美味しいもの、先輩に食べさせてあげたいんです 」
純粋に、そう思っていた。確かに、コンビニのごはんも美味しいけれど…私にばかり美味しいお粥を作ってくれた先輩にも、何か美味しいものを食べてほしかった。
W『 ……わかった 』
先輩は軈て、私の誘いに頷いてくれた。嬉しくて嬉しくて、思わず頬を綻ばせてしまう。
「 …じゃあ、どこか美味しいお店、探しておきます…！」
W『 うん、楽しみにしてる 』
首を縦に振った先輩は でも と言いながら手を伸ばし、その大きな手を、ぽんと私の頭の上に置いた。
先輩の手の熱が直に伝わって、頭から顔、顔から首、首から全身へと、その熱や血が駆け巡って行った。
W『 その前に、ちゃんと風邪治そうな 』
何とか視線を上げると、悪戯っぽく笑う先輩と目が合った。私の頭をぐしゃっと撫でた後、彼の手は離れて行った。
頭のどこかではわかっているのに。これ以上先輩を好きになりたくないなんて、無茶なことを思ってしまっているというのに。……一度上昇してしまった想いは、留まるところを知らなくて。昂るその気持ちを抑え付ける手段を、幼過ぎる私は持ち合わせていなかった。
W『 ……金木犀って、どんな香りなの？』
先輩の口から何の脈略もなくその疑問が飛び出してきたのは、2人共晩ごはんを食べ終わって他愛もない話をしている時だった。話が途切れて訪れた沈黙を、彼は、それはそれは静かに破った。
「 ……急、ですね 」
先輩の問いに答えるものではなく、素直に感じた気持ちが言葉になっていた。確かに日本の話はしていたけど、金木犀のきの字も出ていなかった。それに、今は金木犀の季節ではない。
きっと訝しげな顔をしているであろう私を見て、先輩はふっと笑った。
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アオコ(プロフ) - るるるさん» ミョンホにはこれからもどんどん動いてもらう所存です（言い方） (2020年10月12日 20時) (
レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ミョンホ〜(*^ーﾟ)b ｸﾞｯｼﾞｮﾌﾞ!! もう〜〜うぉぬくん…熱上がっちゃう((〃´д｀〃)) (2020年10月8日 16時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
アオコ(プロフ) - るるるさん» るるるさん〜！こちらこそお久しぶりです！！チャイナ組には大活躍して頂きたい願望があるので（願望）、たくさん書けるようにか頑張ります！わかります…どんだけ美味しいお肉出てきても多分無味に感じますね… (2020年9月30日 23時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - アオコさん、お久しぶりです〜！チャイナ組が登場しててめちゃくちゃテンション上がりました！おぬ君とじゅんぴとはおちゃんとランチなんて…顔面が眩しすぎて緊張でご飯喉を通らなさそうです笑 (2020年9月29日 21時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
アオコ(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます〜！私もうるさい人種だからか個人的に賑やか方めちゃくちゃ好きなので騒ぎまくりましょう…？！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオコ | 作成日時：2020年9月16日 22時
