25:目を逸らすべきで ページ25
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W『 ああ、だから、昼は食べた?って聞いたんだけど… 』
誤魔化し切れていない私に、優しいウォヌ先輩は何も問い詰めてこなかった。それが有り難くて、
「 そうだ…!お昼のお話でしたね…!」
と大きく頷く。
W『 そう、食べた?』
「 …いや、まだ食べてなくて……何食べようかなって考えてたところです…!」
そう言ってお腹を摩ってみせると そう とだけ言って頷き、口角を上げた先輩。…ダメだ、やっぱり彼の微笑みを見るだけでドキドキしちゃう…。
W『 誰かと食べる予定もないの?』
「 あ、はい。1人だし、どうしようかなと思って… 」
今日はソラとミンギュくんとごはんを食べる約束はしていないし、ミョンホも授業が終われば用事があるからとすぐに帰って行ってしまった。
W『 良かったら、一緒に食べに行かない?』
色々と思い出しては考え込んでしまっていたから、最初は幻聴かと思った。
「………へ……?」
私、今、先輩に食事に誘われてるの……?え、ほんとに……?
驚いて返事が出来ない私の反応を、先輩は良いものではないと思ったらしい。困ったように眉を顰めた。
W『 ……今がダメならまた別の機会でも良いんだけど… 』
「 …いや…!全然大丈夫です…!行きたいです…!」
先輩とごはんなんて、行きたくないわけがない。引かれても良いと開き直って少し大きな声で答えると、彼はふっと、あの優しい微笑みを浮かべた。
W『 じゃあ行こっか。美味しいとこ知ってるから 』
「 はい…!」
歩き出した先輩の隣に並ぶ。
幸せだった。こうして先輩と一緒に歩けていることも、短いけれど、これから彼と少しでも同じ時間を過ごせるということも。
- ……まあでも、ウォヌオッパのこと好きになるのはオススメしないよ -
………………これで、良いと思わないと。
不意にソラの言葉と寂しそうな横顔を思い出した。きっと、私はこれ以上の幸せを望んじゃいけないんだ。
過去の彼に何があったかはわからない。気になるけれど、多分、私が触れてはいけないことなんだろう。
だったら私は何も望まずに、現状に満足しなきゃ。そして……先輩のことも、好きになったらダメだ。好きになれば、私はたくさんのことを望んでしまうし、手を伸ばしたくなってしまう。
W『 …腹減ってる?』
「 …あ、はい、とっても…!」
W『 ん、俺も 』
先輩の微笑みをこうして隣で見られるなら、それだけで良い。
私はドキドキする胸を誤魔化すように、自分にそう言い聞かせた。
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アオコ(プロフ) - るるるさん» ミョンホにはこれからもどんどん動いてもらう所存です(言い方) (2020年10月12日 20時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ミョンホ〜(*^ー゚)b グッジョブ!! もう〜〜うぉぬくん…熱上がっちゃう((〃´д`〃)) (2020年10月8日 16時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
アオコ(プロフ) - るるるさん» るるるさん〜!こちらこそお久しぶりです!!チャイナ組には大活躍して頂きたい願望があるので(願望)、たくさん書けるようにか頑張ります!わかります…どんだけ美味しいお肉出てきても多分無味に感じますね… (2020年9月30日 23時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - アオコさん、お久しぶりです〜!チャイナ組が登場しててめちゃくちゃテンション上がりました!おぬ君とじゅんぴとはおちゃんとランチなんて…顔面が眩しすぎて緊張でご飯喉を通らなさそうです笑 (2020年9月29日 21時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
アオコ(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます〜!私もうるさい人種だからか個人的に賑やか方めちゃくちゃ好きなので騒ぎまくりましょう…?! (2020年9月17日 21時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオコ | 作成日時:2020年9月16日 22時