12:再会 ページ12
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問いかけてきたミンギュくん。わざわざ 王子様 という言葉を使っていたけれど、私のことを揶揄っている様子は、微塵も感じられなかった。やはり、彼もとても優しい人らしい。
「 韓国に来た初日にコンビニに行ったんだけど、私、お財布忘れちゃって……レジで困ってたら、その人が助けてくれたの 」
『 え〜!何それ、めちゃくちゃかっこ良いね!』
ぱあっと表情を明るくさせたソラに だよね と頷く。
『 何か、その王子様の情報ないの?』
そう聞かれ、あの夜ウォヌ先輩と交わした会話を思い出す。
「 …歳は2個上で、大学は2人と一緒だって言ってた 」
『 え、それほんと?!早く言ってよ!めちゃくちゃ大事な情報じゃん!』
M『 そうだよ!俺ら何かわかるかもしれないじゃん!…ちなみに、王子様の名前は?』
私よりも興奮した様子の2人に、思わず笑みが溢れた。王子様 というのを受け入れてくれただけでも嬉しいのに、更にはこうして協力までしようとしてくれるなんて……確かに、先輩にもう一度会えるなら会いたいと心の片隅で思っていたから、2人の姿勢はとても有り難かった。
「 …えっとね、」
先輩の名前を口にしようとした、その時だった。
いつの間にか、目的地である大学の近くに着いていた私達の周りは、同じ大学生で溢れ返っていて。その中の1人が、
『 ソラ、ミンギュ 』
と私の隣にいる2人の名前を呼んだのだ。
聞き間違いではないかと思った。その低い声は、先程まで思い出していた彼の声と、とてもよく似ていたから……ううん、全く同じだったから。
2人と共に、声が聞こえた方へ振り返る。そこにいたのはやはり、あの夜に会って以降ずっと私の頭の中から離れてくれなかった、王子様だった。
「 ……え、」
『 あ、ウォヌオッパだ〜 』
M『 ウォヌヒョン、おはよ!』
驚いて掠れた声を出す私とは対照的に、2人は王子様に向かって手を振った。……ウォヌ。やっぱり、間違いない。
先輩のことを オッパ と ヒョン と呼んでるってことは…2人はとても、彼と親しいらしい。
先輩は少し目が悪いみたいで、近くに来てから私に気付いたようだった。目が合った途端 あっ と声を発した。私も どうも… と軽く頭を下げる。
目の前に立っていて、ただそれだけなのに。彼の顔を見て声を聞くだけで、私の心臓は、やけに早く動いていた。
『 あれ、2人、知り合いなの?』
ソラの不思議そうな表情に、目を向けた。
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アオコ(プロフ) - るるるさん» ミョンホにはこれからもどんどん動いてもらう所存です(言い方) (2020年10月12日 20時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ミョンホ〜(*^ー゚)b グッジョブ!! もう〜〜うぉぬくん…熱上がっちゃう((〃´д`〃)) (2020年10月8日 16時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
アオコ(プロフ) - るるるさん» るるるさん〜!こちらこそお久しぶりです!!チャイナ組には大活躍して頂きたい願望があるので(願望)、たくさん書けるようにか頑張ります!わかります…どんだけ美味しいお肉出てきても多分無味に感じますね… (2020年9月30日 23時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - アオコさん、お久しぶりです〜!チャイナ組が登場しててめちゃくちゃテンション上がりました!おぬ君とじゅんぴとはおちゃんとランチなんて…顔面が眩しすぎて緊張でご飯喉を通らなさそうです笑 (2020年9月29日 21時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
アオコ(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます〜!私もうるさい人種だからか個人的に賑やか方めちゃくちゃ好きなので騒ぎまくりましょう…?! (2020年9月17日 21時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオコ | 作成日時:2020年9月16日 22時