7:新たな出会い ページ7
.
「 …あの、…すみません 」
そんなに遠くなかった距離を縮め、彼女に声を掛けた。はい と応えてくれた微笑みが優しくて、とても安心出来た。
「 道に迷ってしまって……出口を教えてくれませんか?」
この歳にもなって、しかも事前に調べておいたのに、迷子になってしまうなんて…。恥ずかしくて、どうしようもなかった。だけど、
『 ちなみにどちらまで行かれるんですか?』
と問い掛けてくれた彼女の優しさが、ドキドキしていた胸にすっと沁みた。目的地である語学堂の名を伝えると、彼女はぱあっと顔を輝かせた。可愛い と思った。素直に。
『 私もその大学に通ってるんです!…えっ、語学堂ってことは、留学ですか?』
「 あ、はい、そうです…!」
『 わ、すごい!良かったら大学まで一緒に行きませんか?』
良いんですか?と聞いた私に もちろんですよ!と頷いた彼女の笑顔に、心底ほっとした。可愛らしくて良い人だな というのが、彼女の第一印象だった。そして私は、その彼女の優しさに甘えることにした。
「 じゃあ、…お願いします…!」
『 はい!あ、でも今人待ってて……もうちょっとで来るはずなんで、少しだけ一緒に待っててもらえませんか?』
「 あ、全然大丈夫です!」
大きく頷いてみせると、今度は彼女の方が 良かった と安心したように微笑んでくれた。
『 あの、私、イム・ソラっていいます!…あなたは…?』
「 あ、私は鳴海Aです…!この間高校を卒業したんですけど、それからすぐ日本から来たんです…!」
『 日本からだったんですね!韓国語すごい上手です!』
一昨日コンビニで会ったウォヌ先輩もそうだけど……必死に身に付けたものを素直に褒められると、やっぱり嬉しい。ありがとうございます と答えた私の声は、自分でもわかるぐらいに弾んでいた。
『 あ、てことは私達同い年ですね!じゃあ敬語なしね!』
「 …あ、そうなんですね…!えと、じゃあ、…わかった!」
また微笑みかけてくれたソラに、私も口角を上げてみせる。話してみてわかったけど、彼女はとても明るい。きっと友達も多いんだろうな……それに、これだけ可愛ければ彼氏もいそう。
『 あ、今から来る人も同い年だから、気軽に話してね!』
「 …私、一緒にいて迷惑にならないかな…?」
そんな私のネガティブ過ぎる心配を、ソラは明るい笑顔と共に 大丈夫だよ!と吹き飛ばしてくれた。
その時だった。ソラが私の背後に目を向け あ、こっち!と大きく手を振ったのは。
.
548人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アオコ(プロフ) - るるるさん» ミョンホにはこれからもどんどん動いてもらう所存です(言い方) (2020年10月12日 20時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ミョンホ〜(*^ー゚)b グッジョブ!! もう〜〜うぉぬくん…熱上がっちゃう((〃´д`〃)) (2020年10月8日 16時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
アオコ(プロフ) - るるるさん» るるるさん〜!こちらこそお久しぶりです!!チャイナ組には大活躍して頂きたい願望があるので(願望)、たくさん書けるようにか頑張ります!わかります…どんだけ美味しいお肉出てきても多分無味に感じますね… (2020年9月30日 23時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - アオコさん、お久しぶりです〜!チャイナ組が登場しててめちゃくちゃテンション上がりました!おぬ君とじゅんぴとはおちゃんとランチなんて…顔面が眩しすぎて緊張でご飯喉を通らなさそうです笑 (2020年9月29日 21時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
アオコ(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます〜!私もうるさい人種だからか個人的に賑やか方めちゃくちゃ好きなので騒ぎまくりましょう…?! (2020年9月17日 21時) (レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アオコ | 作成日時:2020年9月16日 22時