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伏黒「聞きたいんですけど、8年前の事件、知ってたりしますか?」
女の子との通話が終わり、
電話を切った彼に問いかける。
悟「なぁに。8年前の事って。」
そう言ってる五条悟は表情が固まっていた。
笑顔だけどどこか固い。
…何か知ってる。
伏黒「でもヒーローですよね、8年前の犯人さんは。警察も諦めてるし俺自身も奴らに突き出すつもりは無いんで言ったらどうです?」
自分は貴方の敵でも味方でもなんでもない、
そう告げると、一瞬驚いた顔を見せた五条悟は両手を上げて、「降参」と呟く。
悟「あーそれなら言うわ。
全部僕僕。Aを連れ出したのも、
Aの両親を殺ったのも僕。」
伏黒「じゃあAさんを引き取る、っていう形で実は誘拐だったのも貴方が主犯?」
悟「だって可哀想じゃん。
僕の女になった方が断然いい。」
伏黒「そこは注意しなきゃですよ。
理性ちゃんと抑えなきゃ。」
冗談抜きで言うと、
大丈夫大丈夫、と言った彼は近くの公園へ歩いていった。
俺もその後をつけていき、
ベンチにお互い対面になるように座る。
悟「だってさぁ、小さくて 今にも消えそうな女の子が自分が一番信頼してる親にボコられてんだよ?」
伏黒「それはそうですよね。分かります。」
悟「あの白い腕も最初はアザだらけだったから。
やばいでしょ。」
んなわけで僕自身の手で殺したわけじゃないけど下の人間に指示して殺らせた、と話す彼の目は涙で潤んでいる。
…そんなに、Aさんのことが好きか。
口にはしないけどそう思った。
悟「僕って欲しいものは手に入れなきゃ駄目な主義だから。」
伏黒「へぇ。貴方って女性にチヤホヤされそうな顔面してますけど、Aさん一筋なんですか?」
悟「当たり前の事言わせないでよ。
他の女は女じゃない。」
伏黒「でも異常ですね。
なんか企んでます?」
悟「今は僕だけを必要としてくれるように調教中。」
伏黒「ハッ、趣味が悪い。」
聞いたのはそっちだろ、と笑った五条悟は
嫌になるほど顔が良くて、眩しかった。
でも、やっぱり
伏黒「あんたみたいな人ってすげーって思いますわ。」
何でもして、自分の欲に任せっきりの人間
色んな意味ですごいってある意味尊敬しちゃうんだよなぁ。
って、俺も随分と趣味が悪いのかもしれない。
(面白いこと聞けたし今日は帰るとするか)
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作者名:tsuki | 作成日時:2020年11月28日 21時