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伏黒「本職ですが、何か?」



悟「いーや?なんだか探偵さんって感じの
匂いがしたから。」



(本当は副業だ。探偵さんってやつも
まぁそんな感じ。)



だけど、なんでこいつが感づくように
話してくるんだよ。




悟「なんか隠してんならもっと上手くやりなよ。」




ポンッと、俺の肩を叩き
「A行くよ〜」と声をかけた兄さんは
お釣りも受け取らずに店から引き返して行った。




触られた肩がぞわりと震えた。
気持ちが悪い。




(客としてきてんなら普通になんか食べて帰りゃいい話なのに。)



洞察力に優れている。


誰が、どんな風に、どんな行動を。




全て見ていたんだろう。
そこからの頭の回転も鋭いのかお節介までしてきた。




…いや、嫌がらせの間違いかもしれないけど。





_______








悟「Aは大人になりたい?」



カフェから出て、オシャレなお店が並んでいる道を
2人並んで歩いていた時、ふとそう聞かれた。




「大人になりたくなくても、時が経てば
身も心も大きくなって大人になっちゃうよ?」




お兄さんもそうでしょう?
質問に質問で返すと、お兄さんは少しびっくりした
表情を見せてから、そうだね、と笑って見せた。





悟「童話の中にあったのを思い出したんだ。
子供しかいない世界のお話。」




「ネバーランドってやつだね。」





悟「でもさあ、ずっと子供でいられる世界線なんて、どこにもないんじゃないかな?」





「それは…私も分からない。かなぁ」





ずっと子供でいたいと願う子達のヒーロー、
それがピーターパン。




彼はその子たちの願いを叶えてくれるから
英雄とでも思われてたのだろう。




悟「…もうちょっとお出かけしたかったけど
時間がちょっとねぇ…帰ろっか。」




「そうだね、帰ってピーターパンのお話でもしよう!」





また、お兄さんの楽しい楽しいお話が聞ける、
きっとまた怖いお話もするんだろうけど楽しみだ。





そう思うとワクワクして、早くお家に帰りたいって
心からそう思った。



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作者名:tsuki | 作成日時:2020年11月28日 21時

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