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episode:4






「悟、今日はわたし、有給取ったから特別に
お休みしたけど明日から普通にお仕事だから。

悟の部屋は向こうの右側の奥の部屋。
ちょうど1つ使ってなかったから自由に使ってね、
それと冷蔵庫のものは自由に使っていいからね、…」




部屋の説明をする。悟の事だ。
最初に教えとかないと変なことをやらかしそう。





洗面所はあそこ、トイレットペーパーは無くなりそうだったら換えを入れて置いてね、と一通り説明すると、退屈そうにした悟がおえーっと口を開けていた。








「なぁA、そんなことどうでもいいからこっち来て。」









リビングの床にあぐらをかいた悟は、
トントン、と人差し指でこっちに来い、と言う。








「なぁに、悟。」







「メイクなんてどこで覚えやがったんだよコノヤロー。
メールも無視するわ電話も着信拒否するわ。
この5年間俺どうにかしてたわ。」






「だから高専入学をキリにこっちに来る理由作って
本家で駄々こねたんだ。」




思わず笑ってしまう。




悟はかわいい。





小さい頃から私に一段と懐いていた悟は、どこに行っても
「AちゃんAちゃん、お花見つけたよ。
あそこには怖いのがいるから近づいちゃダメだよ。」
と、私について歩く子だった。












『悟は昔から今もAさんのことが大好きなんですよ。』


と、本家の奥さまが別れ際にコソリと話してくれる程には
懐かれているのだろう。








「身長デカくなっても心はかわいいんだね、悟。」





「なんの話?てか腹減った!メシ!」







育ち盛りの男の子が、とても愛しく感じる、
あの頃から悟は変わってない。






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作者名:川村 | 作成日時:2023年7月22日 21時

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