Obsession (ページ9)

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チャニョルは作戦を実行する事に決めた。

今は0時。寝てると思わせて脱出するのだ。

窓に手を掛けたところで、チャニョルは動きを止めた。

....今更だが、Aの事が心残りなのだ。

CY「......くそっ....」

隠していたことに、不信感を覚えてしまったのは確かだ。

だが、

口では、いい思い出なんてないなんて口走ってしまったけれど

Aと過ごす日々は幸せで楽しいものだった。

控えめに笑うAの笑顔が大好きだった。

手を繋ぐと照れて顔を隠すAも

作った歌を楽しそうに歌うAも

それに確かにチャニョルはAのことを愛していた。

若いながらに、心から。

CY「なんでこんなっ.....！」

チャニョルの目から大量の涙が溢れた。

CY「好きなんだ......好きだけどっ.....」

それよりも両親を殺された恨みと、

怒りが上をいってしまったんだ

どうしても耐えきれなかった。

CY「ごめんな....Aっ...」

チャニョルは様子を伺い、窓から体を出し必死に走って逃げた。

涙で前が見えないが、出来るだけ遠くへ誰にも見つからない場所へ。

『.............行っちゃったぁ....」

彼女が泣きながら、その様子を見つめてることも知らずに。