Obsession (ページ31)

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『.....嫌だ....！』

Aは思い切り叫んだ。

『.....お願いです。撃たないで下さい。』

父さんは聞く耳を持たない。

「なんとでも言えばいい」

そしてチャニョルに狙いを定めた時、

『ならっ....！』

父さんは動きを止めた。

『私に........撃たせて下さい。』

それは銃を構えた父さんにとっても、

ベクヒョンを抱えたチャニョルにとっても予想外の答えだった。

チャニョルはAに視線を向けた...が、

目は合わなかった。

それは逸らしているようにも思えた。

「....もう一度チャンスをということか。」

『はい....しかし....！』

『今はチャニョルが圧倒的に不利な状態...。父さんの信頼を取り戻すために、平等な状態で今度こそ完璧な殺しをしてやり遂げます。一度計画をたてさせて下さい。」

「それは、このまま帰れということか....！？」

『はい、私たちのアジトは知られていませんし、彼らは追いかける力もない。私たちにマイナスになることはありません。』

Aは淡々と喋り続けた。

すると、父さんが口を開いた。

「まあ良いだろう。だが、次また失敗したら....例え娘であろうともお前の命はないと思え。」

『....勿論です。』

「...では追っ手が来る前に行こうか。」

父さんは銃を下ろし、ゆっくりと暗い闇の方へ歩いていった。

『....はい。』

それについて行くようにAもチャニョルに背を向けた。

だが、Aはチャニョルのほうへ振り返った。

そして、

『...遠いところに逃げて...！』

と必死に口を動かしていた。

チャニョルがその姿を見つめると、

Aは昔のような儚く優しい笑顔を向けながら涙を流していた。

そして最後に確かに

『....大好きだよ。』

と言っているようだった。

そして静かに闇の方へ消えていった。

CY「......。」

チャニョルはただその姿をただ見つめることしか出来なかった。