ふたりきり【shk】 ページ37
既婚、子持ち設定注意です
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朝だよ！と揺さぶられて目が覚めた。
ぐっと腕を伸ばし起き上がると、舌っ足らずな声が楽しそうにおはようを告げる。
「おはよ。偉いな、早起き出来て」
「うん！パパはおこしてあげないとおきないーって、なかむが言ってたからね！」
随分とおしゃまになったものだ。得意げに笑う娘の小さな頭を撫で、着替えて朝ごはん食べに行こうかとベッドを出た。
一先ず自分の準備を終わらせてから、取り出したお気に入りのワンピースに着替えさせる。
何も言わずに椅子に座ってくれるのは、髪を結われるのが好きだから、なのだろう。
「きょうのごはんなにかなー」
「何だろうなぁ。楽しみだな」
「うん！でもねー、きりやんのごはん全部おいしいからねー、なんでもいいよ」
ぶらぶらと地面につかない足を揺らしながら立派な事を言う娘の髪を櫛で梳かす。
まだ数回しか散髪したことのない、俺と同じ黒髪。髪を伸ばしたいと言い出したのは、確か。
「ねえ、かみ、ママと同じくらいになった？」
________そう、彼女の写真を見て、突然言い出したのだ。ママみたいに、長い髪がいいと。
「うーん…ママの方がまだ長いかな」
「え〜！まだ？」
じゃあもっと伸ばさなきゃね、とちらりと振り向く横顔が愛おしい。動かない、と注意すれば大人しく前を向く所も、全部。
こうして何かある度にもうこんなに大きくなったのかとしみじみしているようでは、彼女に親バカだと笑われてしまうだろうか。
それとも、そうだねと同じように頷いてくれるだろうか。
ああ、もしも__________ここに彼女がいたら。
「パパ？」
「……あ、ごめん、早くしないと…」
「…んーん、だいじょうぶだよ。ママに会いたいの、いっしょだもん」
じわりと滲む涙がこぼれないよう、瞬きを堪える。
まだ片手で数えられる歳の娘にこんな事を言わせてしまうなんて、本当に不甲斐ない父親だ。
「でも、パパはママのこと知ってるから、もっと会いたいよねぇ」
「…うん、会いたいな」
ぎゅっと高い位置で髪を括り終えると、出来た？と嬉しそうな顔がくるりと振り返る。
彼女は、娘を庇って毒を浴び帰らぬ人となった。
この子に話すつもりはない。
これは、2人を守れなかった俺が背負うべきものだから。
「ごはん！ね、はやくいこ！」
「ん、行くか」
元気にはしゃぎながら娘が立ち上がる。
写真立ての中、赤子だった頃のこの子を抱いた彼女は幸せそうに笑っていた。
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まめこ(プロフ) - 陰キャ寄りの陽キャさん» まさか、コメント頂けるの本当に嬉しいので、ぜひたくさん書き込んでやってください…！嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります！！ (2021年6月25日 23時) (
レス) id: 17312d353f (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます嬉しいです…！！もちろん大丈夫ですよ、いつでもお待ちしてます！ (2021年6月25日 23時) (レス) id: 17312d353f (このIDを非表示/違反報告)
陰キャ寄りの陽キャ(プロフ) - まめこさん» 教えて下さりありがとうございます！逆にコメントしすぎて迷惑ちゃうかなって思いました…すみません。これから応援してます!!大好きー！ (2021年6月24日 23時) (レス) id: fe4eb2c8c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - まめこさん» 最っっっっっっっっっ高でした!!!!!!!!まじで…もう！なんかこう…！（語彙力低下）本当にありがとうございました！！！（またリクエストいいかな…） (2021年6月24日 23時) (レス) id: 2c4cc0fb10 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - ゆうさん» そう言っていただけてとても嬉しいです…コメントありがとうございます。リクエスト承りました！必ず書かせて頂きます！ (2021年6月20日 16時) (レス) id: 17312d353f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2020年11月10日 0時
