秋冷【nkm】 ページ2
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__________幼馴染。
その名前の付く関係に縛られ続けて、いつの間にか17年。
私と彼の距離は昔からずっと変わらず、そしてこれからもそうであると思っていた。
そう、思い込んでいた。
「いや、全然そんなんじゃないって！ただの幼馴染だよ、ほんとに！」
ああ、よく通る馬鹿でかい声が廊下まで聞こえてくる。
少し上擦ったよく知った声に続けて、か細い女子生徒の声。居残って勉強でもしているのだろうか、必死なその声に、教室のドアに掛けた手を引っ込めた。
「……そ、そっか。仲が良いから、付き合ってるのかと思ってた」
「まさか！Aとはただの腐れ縁だよ」
「…そう、なんだ」
あからさまに安心したような声に、ぎゅっと痛いほど拳を握りしめる。
それから、また始まる他愛もない話を唇を噛みながら聞いていた。
彼と、彼の好きな女の子。
可愛くて、大人しいクラスメートだった。別に仲が良かった訳でもないのでどんな子なのか詳しくは分からないけど。
それでも、彼とあの子が両想いなのは一目瞭然。
それこそ誰よりも彼をよく知っている私ですら、入る隙もない程に。
ガラ、と教室のドアを開ける。驚いたように、恥ずかしそうに勢いよくこちらを振り返る2人に、腸が煮えくり返るような憤りを感じた。
私の方が好きだった。ずっと前から、あんたと出会うよりずっとずっと前から好きだった。
それなのに、出会って数ヶ月で、誰よりも一緒にいた私から彼を奪っていくなんて。
「勉強してたんだ？ごめんね邪魔して」
「い、いや！全然…！」
ほら、分かりやすく慌てて。そっちはそっちで顔を赤くして俯くだけで。
本当に腹が立つ。イライラする。そこは、少し前まで私だけの場所だったのに。
「じゃあね、2人とも。勉強頑張って」
本当は教室に用事なんてなかった。
必要でもないノートを引き出しから取り出し、私はにこりと笑って2人に手を振る。
これ以上ここにいるのは、余りにも自分が惨めすぎて耐えられなかった。
ぎこちない返事を聞いて教室を出る。ガラガラとドアを閉めると、もう耐えられなかった。
廊下を駆け出し、制服の袖で涙を拭う。
悔しい。辛い。痛い。苦しい。憎い。羨ましい。
________でもきっと、私じゃあの子に敵わない。
息を荒らげながら、廊下で立ち止まる。
開きっぱなしの窓から、まるでこの行き場のない恋心を冷ますように、冷たい風が吹き抜けた。
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まめこ(プロフ) - 陰キャ寄りの陽キャさん» まさか、コメント頂けるの本当に嬉しいので、ぜひたくさん書き込んでやってください…！嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります！！ (2021年6月25日 23時) (
レス) id: 17312d353f (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます嬉しいです…！！もちろん大丈夫ですよ、いつでもお待ちしてます！ (2021年6月25日 23時) (レス) id: 17312d353f (このIDを非表示/違反報告)
陰キャ寄りの陽キャ(プロフ) - まめこさん» 教えて下さりありがとうございます！逆にコメントしすぎて迷惑ちゃうかなって思いました…すみません。これから応援してます!!大好きー！ (2021年6月24日 23時) (レス) id: fe4eb2c8c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - まめこさん» 最っっっっっっっっっ高でした!!!!!!!!まじで…もう！なんかこう…！（語彙力低下）本当にありがとうございました！！！（またリクエストいいかな…） (2021年6月24日 23時) (レス) id: 2c4cc0fb10 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - ゆうさん» そう言っていただけてとても嬉しいです…コメントありがとうございます。リクエスト承りました！必ず書かせて頂きます！ (2021年6月20日 16時) (レス) id: 17312d353f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2020年11月10日 0時
