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実は、今でも少し不安だったのだ。
本当に夫婦としてやっていけるのか、私なんかで彼は満足してくれているのか。もしかしたら、妾でも作る気でいるのではないかと。
馬鹿だった。
だってどんなに忙しくても夕飯は一緒に食べてくれるし、出掛ける時は必ずと言っていい程着いてきてくれる。そんな彼が、私を蔑ろにする筈がない。
________何より、その愛おしそうに向けられる視線の先には、どうしたって私しかいないのに。
「…私、結婚したのがスマイルさんでよかったです」
親の都合で決められた、互いに決して拒む事の許されない結婚だった。
それでもこんなに幸せなのは隣に居てくれるのが他でもない彼だったからだ。
「…そうか、良かった」
「？」
「……好きな人が居たんじゃないかって、無理させてるんじゃないかって思ってたんだ」
「いないですよ！スマイルさんこそ、」
「…俺こそ、何だ？」
もしかしたら外に恋人が居るのかなって…と控えめに口を開けば、スマイルさんはあからさまに不機嫌そうに顔を顰める。そんな訳ないだろ、と不満げに呟かれたそれに嘘がない事は訊かずとも明白だった。
「俺がそんな奴に見える、と」
「…み、見えないですけど、でも…だって珍しい話じゃないし…」
ごにょごにょと口篭る私に、彼はもう何度目か分からないため息を吐いて呆れたような笑顔を浮かべる。
「…じゃあ今、生涯お前だけだと誓う。それで疑いは晴れるな」
ぐっと喉元に空気が詰まるような感覚に、少しも言葉が出てこない。胸がいっぱいになるというのは、こういう事なのだろうと思った。
ほら寝るぞ、と目を細め笑った彼が文机の上のスタンドライトを消す。
「じゃあおやすみ、A」
「…おやすみ、なさい」
布団に潜れば久しく感じていなかった人の温もりに自然と瞼が落ちてくる。
真っ暗になった部屋で私に出来るのは、ただこれからも続くであろう幸せに、思いを馳せるだけだった。
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あいら - ありがとうございました！引くほど鬼リピします！ (2021年12月7日 23時) (
レス) @page39 id: 508c9e96c0 (このIDを非表示/違反報告)
つきりと - 長い間お疲れさまでした…！いつも楽しみに読ませてもらいました！！長編小説のほうも大好きです！！これからも応援してます！ (2021年11月24日 14時) (レス) @page39 id: 91c51e0192 (このIDを非表示/違反報告)
あみだくじです(プロフ) - まめこさん» あっありがとうございます…！！！！！ (2021年9月26日 9時) (レス) id: fe4eb2c8c6 (このIDを非表示/違反報告)
音夢nemu(プロフ) - まめこさん» ありがとうございます、、、！！ (2021年9月25日 23時) (レス) id: 927429c6cf (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - あみだくじですさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…！！リクエスト承りました、お待たせしてしまうとは思いますが必ず書かせていただきます🙇♀️ (2021年9月25日 23時) (レス) id: 17312d353f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年7月9日 22時
