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あなただけの、私だけの【br】 ページ31

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「やめないで」なんて、そんな言葉が自分の口から出たことに、私が一番驚いた。
本当にいいんだね、手加減しないよという忠告に大丈夫だからと頷いたあの瞬間の彼の表情だけで心が満たされてしまうくらい、私はたぶん彼に飢えていたのだと思う。



「…あっ、起きた…よかったぁ」

ゆっくりと目を開くと、目の前には少し泣きそうな情けない表情を浮かべた彼の顔があった。
どうやら私は行為中に気を失ってしまっていたらしい。先程までの獣のような雰囲気はどこへ行ってしまったのか、ごめん…としおらしく呟く彼は、まるで別人のようだ。

「……んーん、気持ちよかったし、だいじょーぶ」
「でも、どう考えてもがっつき過ぎだったよね…」
「…ふふ。まあ…確かにいつもよりは?」
「……Aが可愛いから、つい」

ごめんね、ともう一度謝罪を口にすると、彼は覆い被さるようにして私を抱き締めそのまま横にごろんと転がる。
いつの間にかシーツの上に敷いていたタオルはなくなっていて、散らかっていた服も棚の上に纏めて置かれていた。私が眠っていた間に彼が片付けてくれたのだろう。

「ん〜〜…Aあったかいね」
「そうかな、Broooockもあったかいよ」

布に阻まれないその大きな背中に手を回す。ちょうど目の前にあった鎖骨あたりへ悪戯に唇を寄せると、彼の体がぴくりと跳ねた。

「…やったな?」
「ふふ、だって目の前にあったから…あっ、ちょっと首…っ!」

少しだけ体を離した彼が、ぢゅ、と音を立てて私の首に吸いついた。
チクッとした痛みも一瞬で多幸感に掻き消されてしまうので、今の私はどうやら随分と満たされているらしかった。
……でも、この位置はちょっとまずいのでは。

「…ねえ、これ見えちゃわない?」
「うーん、見えちゃうかもね」

も〜髪結べなくなっちゃったじゃん!と文句を垂れる私に、Broooockは悪びれもなくへらりと笑う。

「でもほら、牽制にもなるしいいでしょ?」

僕だけのって証〜なんて言ってもう一度私を引き寄せる彼にこれ以上文句は言えなかった。
だって、嬉しさの方が勝ってしまうのだ。独占欲が嬉しいなんて、自分でも驚いてしまうけど。

「そんな事されなくても、Broooockしか見てないけどね」
「…んへへ、そっかぁ」

とても嬉しそうな声が降ってくると同時に、ぎゅっと強く抱き締められる。

日付が変わって、たぶん20分と少し。
今この瞬間で世界一幸せなのは私だ、とそう胸を張って言えてしまうくらい、幸せだった。

しっぺ返し【kn】→←いつかのプロローグ【shk】



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あいら - ありがとうございました!引くほど鬼リピします! (2021年12月7日 23時) (レス) @page39 id: 508c9e96c0 (このIDを非表示/違反報告)
つきりと - 長い間お疲れさまでした…!いつも楽しみに読ませてもらいました!!長編小説のほうも大好きです!!これからも応援してます! (2021年11月24日 14時) (レス) @page39 id: 91c51e0192 (このIDを非表示/違反報告)
あみだくじです(プロフ) - まめこさん» あっありがとうございます…!!!!! (2021年9月26日 9時) (レス) id: fe4eb2c8c6 (このIDを非表示/違反報告)
音夢nemu(プロフ) - まめこさん» ありがとうございます、、、!! (2021年9月25日 23時) (レス) id: 927429c6cf (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - あみだくじですさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…!!リクエスト承りました、お待たせしてしまうとは思いますが必ず書かせていただきます🙇‍♀️ (2021年9月25日 23時) (レス) id: 17312d353f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめこ | 作成日時:2021年7月9日 22時

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