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「…なんかね、いつまでこうやって3人でいられるかな〜って、思って」


だってきっと、私達が一緒に過ごせる時間はこの先減る一方______否、もしかしたら減るどころか全くなくなってしまうかもしれない。
多分私は、変わってしまうのが怖いのだ。
いつか2人にも彼女が出来て、私にもそういう相手が出来て…そうなればもう、幼馴染だからという理由で一緒にいる事は出来ない。
それが当たり前になるまでの過程を、乗り越えられる気がしなかった。

私がずっと抱えていた気持ちは、こんな子供じみたものだ。幼馴染と離れるのが寂しいなんてそんな事誰にも言えはしないが、でも考えずにもいられない。私達はいつまで、こうしてただの幼馴染のままで居られるのだろうかと。


「…確かに、このまま一緒には無理かもしれないけどさぁ」

幼馴染は幼馴染じゃん、ずっと。Broooockは緊張感のない笑顔を浮かべながらそう言うと、コップの中身を飲み干した。ズズ、とストローを啜る音が鳴る。

「…まぁそうだな。そもそもお前ら2人がこの先やっていけるのかも心配だし」
「僕はスマイルよりマシでしょ。Aがやばそうなのは分かるけど」
「え、なんで…?どう考えても2人の方がやばいじゃん」

だって家事も料理も出来ないしとか、いや部屋めちゃくちゃ汚いでしょとか、そもそも他の人とちゃんと会話できるの?とか。
そうして散々好き勝手言い合ったあと、馬鹿馬鹿しさに目を見合わせて吹き出した。

「は〜〜…あ、でもね」
「?」
「Aが"1人"になる事はないよ、絶対」

ね、とBroooockがスマイルを見る。薄らと笑みを浮かべてまあなと頷くスマイルに首を傾げると、Broooockが楽しそうに笑い声を上げた。
……分かんないけどまあ、楽しそうならいっか。
一緒になって笑って、そうだ、と2人に声を掛ける。私を見るその表情は、やっぱり小さい頃と何も変わらなかった。

「ね、また近いうち集まろうよ。次は2人のおすすめの本読むからさ」
「え…お前読めんの?」
「あはは!じゃあ僕達はAのケータイ小説読むか〜」

いつか、必ず変わってしまう。どれだけ嫌でも怖くても、私達もいずれ大人になるのだ。
でも、他でもない彼らがこれからも変わらないでいてくれると言うなら________今はまだ、ふたりと一緒に笑っていよう。

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あいら - ありがとうございました!引くほど鬼リピします! (2021年12月7日 23時) (レス) @page39 id: 508c9e96c0 (このIDを非表示/違反報告)
つきりと - 長い間お疲れさまでした…!いつも楽しみに読ませてもらいました!!長編小説のほうも大好きです!!これからも応援してます! (2021年11月24日 14時) (レス) @page39 id: 91c51e0192 (このIDを非表示/違反報告)
あみだくじです(プロフ) - まめこさん» あっありがとうございます…!!!!! (2021年9月26日 9時) (レス) id: fe4eb2c8c6 (このIDを非表示/違反報告)
音夢nemu(プロフ) - まめこさん» ありがとうございます、、、!! (2021年9月25日 23時) (レス) id: 927429c6cf (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - あみだくじですさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…!!リクエスト承りました、お待たせしてしまうとは思いますが必ず書かせていただきます🙇‍♀️ (2021年9月25日 23時) (レス) id: 17312d353f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめこ | 作成日時:2021年7月9日 22時

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