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ぱらりとページを捲る音と無機質なエアコンの稼働音だけが響くこの部屋は、紛うことなき私の自室である。
しかし当たり前のようにくつろぐ大柄な男と、対照的にひょろりとしたいかにも食が細そうなこの男の2人とは、もちろん血縁関係でも何でもない。遡ること10年ほど前からの付き合い______つまるところ幼馴染、というやつだ。
寝そべっていた方の幼馴染が顔を上げ、私の独断で出されたりんごジュースの入ったコップを手に取った。
ふと、その眠そうな蒼の瞳と目が合う。
「あれ、もう読み終わったの？」
「うん。まあBroooockとスマイルみたいに分厚い本読んでるわけじゃないし」
高校へ進学後、幼馴染とは言え一緒にいる事も話す事も随分と減った。
ちょっとだけ寂しいな、と思っていた矢先、そんな私の心の内が伝わったのか否か、この不定期開催の読書会を提案してきたのは彼らの方だった。
元より本を読むのが好きな2人のおかげで私も読書に抵抗はなかったし、今も現代文の成績がずば抜けて良いのは間違いなくそれのおかげだろう。
…もちろん、2人が読んでるみたいな小難しい内容は分からないけど。
「んん〜〜じゃあ僕もちょっと休憩！」
「……え、何？そういう流れ？」
「スマイルも一旦休憩しようよ、もう2時間くらい経ってるし」
そんなに経ってたんだ、と掛け時計を見上げて本を床に置いた。
同じように本を閉じた2人と小さな机に向かい合うと、私達は揃ってジュースの入ったコップを手に取る。
……昔もこうやって誰かの家に集まって遊んだな、と懐かしさを覚えれば覚えるほど、あの頃とは違うのだとまた寂しくもなったり。
本当に、いい歳して恥ずかしい。もう高校生なのに。コップに刺したストローを咥えたまま、私はちらりと前に座る2人を見やった。
それから、驚いて思わずストローから口を離す。
見やった先、2色の瞳が同じように私を見つめていたからだ。
「…え、なに？」
「いや…なんか元気なくねと思って」
「ね、それ僕も思った」
らしくないよねと笑うBroooockに、無言のまま私を見つめるスマイル。
……いつから、見られていたのだろうか。
何となく恥ずかしくなって思わず目を逸らし、しかし今更誤魔化しても無駄かと諦めるまでおそらく5秒もなかった。
何せ10年も一緒にいる仲だ。
むしろこの気持ちを吐き出すならきっと彼らが適任だろうと、私はそっとテーブルの上に視線を落とした。
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あいら - ありがとうございました！引くほど鬼リピします！ (2021年12月7日 23時) (
レス) @page39 id: 508c9e96c0 (このIDを非表示/違反報告)
つきりと - 長い間お疲れさまでした…！いつも楽しみに読ませてもらいました！！長編小説のほうも大好きです！！これからも応援してます！ (2021年11月24日 14時) (レス) @page39 id: 91c51e0192 (このIDを非表示/違反報告)
あみだくじです(プロフ) - まめこさん» あっありがとうございます…！！！！！ (2021年9月26日 9時) (レス) id: fe4eb2c8c6 (このIDを非表示/違反報告)
音夢nemu(プロフ) - まめこさん» ありがとうございます、、、！！ (2021年9月25日 23時) (レス) id: 927429c6cf (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - あみだくじですさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…！！リクエスト承りました、お待たせしてしまうとは思いますが必ず書かせていただきます🙇♀️ (2021年9月25日 23時) (レス) id: 17312d353f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年7月9日 22時
