おめでとう / 牛沢 ページ1
きらりと光る、指にはめられたリング。
それを嬉しそうに貴方が撫でるから。
――― 祝福するしか、ないじゃん。
ぎゅっとスカートの裾を握りしめた。
: おめでとう / 牛沢
「 俺さ、結婚した 」
「 は、 」
いきなりのカミングアウト。
突然の報告に、ゲームのコントローラーを持つ手が震えた。
「 結婚ってあれ? あの、おめでたいやつ、 」
「 そーそー 」
そう言えば彼は、時折指を見つめてにやにやしていたっけ。
その度に「 きもい 」と彼をからかった。
そうか、指輪だったのか。
「 うわ、牛沢結婚かあ 」
「 お前も早くいい人見つけろよ 」
「 余計なお世話です 」
奥さん、どんな人なのかな。
きっと美人でかわいらしくて、牛沢には勿体無いくらいの人なんだろう。
「 おい、勿体無いとか言うなって 」
あ、
「 口に出てた ? 」
「 しっかり耳に届いたわ 」
「 まー、でもすげー美人で可愛くて性格も良くて、ほんと俺には勿体無いくらいだけどな 」
ぴきり、何かが割れる音が、した。
それはきっと わたしの ――― ‥
わたしの恋、想ってる時間は長いのに終わるときはいつも一瞬。
牛沢が、わたしのこと何とも思ってないのは分かってた。
この思いが、報われないことも分かってた。
だったら、
「 おめでとう 」
この気持ちは忘れなきゃ。涙よりもまず笑顔で。
彼を精一杯祝福しよう。
彼の�� 一番の女友達 ��として。
( 結婚いいなあ )
( Aはいい奴だし、可愛いからすぐに結婚できるだろ )
( ‥ 結婚式のスピーチはわたしにやらせてね )
◎
書いて良かったのか .. 悩みましたがやっぱりお祝いしたかったので .. !
許して下さい.
本当におめでとうございます.
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作者名：nana. | 作成日時：2017年5月29日 15時
