愛とか。 (ページ17)

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髙「んで、Aは？樹と今の状態のままいるわけ？」

肩肘をついて私の話を聞く優吾。午後２１時のファミレス。あたりは家族連ればかりで、私と優吾の会話とは真反対の明るい声が聞こえている。

私は、優吾の問いに少し困惑したように答えた。

『ん…本当はモヤモヤするけどね。この間なんて、女の人が家にきてたし。…だから、嫌になって真夜中のコンビニまで散歩したし』

髙「おまっ…はあ…。もう少し考えろよ。女の子なんだから」

『ダディ…！』

「うっせー！」って優吾は私の頭を軽く叩いた。そう、モヤモヤはする。けど、今の状態から変化してしまうと、高校の時と同じように、終わりが来るかも知れない。あの時から随分と時間が経ったけれど、経過したこの時間で、私はひどく臆病になったようだった。

奥では、ウェイトレスが「いらっしゃいませ」と元気よく声を出す。何気なく扉の方に顔を向けた。『あ…』と思わず声に出てしまった時、相手もこっちを見た。

髙「おー、樹と慎太郎じゃん。仕事終わった？」

慎「高地じゃん！お疲れ」

優吾も気づいていたようで、手招きしながら声をかけた。慎太郎と呼ばれるその人は、太陽のような笑顔で、とても仕事終わりのようには感じられなかった。樹はこっちをひたすらに見つめていて、『お疲れ』と言うと、「おん」と一言放つだけだった。…なんだろう。なんか、不機嫌？

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