愛とか。 (ページ15)

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コンビニに寄ってから気づいた。

もう深夜の１時すぎ。いくら明日が休日だとしても、連絡を取るにはあまりに非常識ではないか。飲料コーナーの前で立ち止まり、ふとそんなことを考える。樹だったらきっと、面倒だったり気分じゃなかったりしたらきっと返信は来ないはず。迷惑だろうな、と思いながらもスマホを手に取り、文字を打った。

夜中にごめん。今コンビニ来てるんだけど、明日休みなら今から飲まない?

そう送って、適当に缶ビールやらカクテルやらをカゴに入れてレジへ向かう。奴が気づくことなく寝てしまったら、面倒だと思って「無理」って返信が返ってきてしまったら、1人で酒を仰げばいいか。そう考えながら、お釣りとレジ袋を受け取って、店を出る。

樹「…まえ、さあ！」

『えっ』目の前には、息を切らした樹がいた。どうしたものか、ジャージ姿の彼はスマホと鍵を持って走ってきた様子だった。

樹「こんな夜中に1人でコンビニとか…もうちょい考えろよ」と、深くため息を吐く樹に、なんとなく『ごめん』と返答した。きっと彼は、久しぶりに連絡を取ったあの日を思い出したのかもしれない。

樹「A」

強引にレジ袋を私から奪ったてと反対の手を差し出された。きっと手を繋ぐ合図なのかもしれないけれど、自惚もよくない。戸惑っている私の手を強引に引き寄せた。

樹「寒ぃから早く帰ろ」

ぐいっと引き寄せた彼は、自分が羽織っていたパーカーのポケットに繋いだ手を入れて歩き始めた。それに倣って私も歩き出す。基本パーソナルスペースは保ちたい派だったけれど、樹の隣はなんだかすごく心地が良かった。

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