愛とか。 (ページ14)

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願っても、そう叶うことのないものだってあることは知っている。もちろん、自分の気持ちが消えないこともわかってる。けれど、あっさり玉砕できるほどの自信もなければ、勇気もない。今頃隣で仲良くしてるのか…って考えれば考えるほど、発狂しそうになった。

よかったことといえば、今住んでいるマンションが防音になっていることくらい。

『気になりすぎるからコンビニ行くか…』

ゆっくり立ち上がってスマホと財布と鍵を手にする。スマホが自然点灯すると、時刻はすでに午前１時を回っていた。けれど、明日は休み。のんびりお酒を仰いで眠ろう。と扉の前で鍵を閉めた。

「ほんと、あり得ないから！」

樹「てか、俺は頼んでねえから」

追い出されるように樹の部屋から出てきた女性。私と出くわすと思っていなかったのか、びっくりした様子を浮かべたが、すぐにキッと睨んでエレベーターへと乗り込んでいった。樹は深くため息を吐きながら扉を閉めた。彼は私のことに気づいていない様子だった。

けれど、ひどく疲れている様子を彼をどうしても無視することができなかった。

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