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＿＿胸が痛い。胸が苦しい。
(ダメだ…お前を失ったら俺は……！)
『大切なものを失ってしまうかもしれない。』
そんな恐怖が、俺を駆り立てる。
何かに急かされるように、何かに追われるように、止まらぬ勢いのままドアを開けた。
「………………っ！」
視界に広がった光景に、俺の身体は思わず固まった。
目が眩むほどの眩しい光。
それはまるで、薄暗いだけだった世界にすべてを照らす太陽の光が射し込むように＿＿＿
(Aっ…………！)
探し求めていたAが目の前に現れた。
Aは、突然現れた俺に驚いたような顔をしていたのだが、一転して明るい表情を見せる。
「あっおはようございます！あの、勝手ながら今日から私が朝ごはんを作ろうかな…って…」
「………………。」
Aの笑顔も、照らす朝の太陽の光も。
＿＿ただただ、眩しく感じた。
そして、Aの言葉で、この状況のすべてを理解した。
何も口にすることなく、大股で歩き出す。
勝手に身体が動いたことが、最早正当な行動に思えてくる。
…… 経緯や理由はどうであれ、今はとにかくAに触れたかった。
「あの、荼毘さ＿＿＿＿＿」
伸びた手はようやく触れられた存在を抱き寄せた。
そのたった一瞬で、胸で感じた苦しみも、痛みも、溶けるように消えていく。
そして、離したくないとでも言うように腕に力がこもった。
顔が見たくて、一度Aを引き剥がす。
「大丈夫ですか…？」
＿＿＿その声が好きだ。
不安そうに俺を見上げたその目も、抱きしめた衝撃で揺れたやわらかい髪も。
Aの呼びかけに応えるように、ため息混じりに笑った。
思わずついたため息の意味は、何も知らないこいつに対する『呆れ』とか、ここにいた『安堵』とかそういうものだろう。
もう一度、Aを抱き寄せる。
Aを完全に俺のものにしたいと思っていた矢先、それ以上に俺の方が堕ちている。
……しかし、Aは俺のことをそうは思っていないんだろう。
こちらが抱きしめていても、行き場がないように空に留まったままのAの腕がその答えだ。
＿＿それならそれでいいような気がした。
たとえこの関係のまま。
そして俺の一方的なものであっても。
Aがそばにいて、こうやって抱きしめることができるのなら。
(けどな、A……。)
少し痛んだ胸の奥。
本心を隠すように、俺は静かに目を閉じた。
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如月 - 荼毘さんかっこよすぎます！続き書いてくれると嬉しいです！(*´∇｀*) (5月15日 21時) (
レス) @page22 id: 144d29d1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ふふ - 続きを正座待機。最高かよ!!!! (2023年4月14日 17時) (レス) @page22 id: bc020e7b09 (このIDを非表示/違反報告)
よっすぃ - 続きが見たいです……… (2022年12月16日 7時) (レス) @page5 id: 93ab21d600 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 続き…続き…続きｦ… (2022年12月5日 8時) (レス) @page22 id: 1a035e157b (このIDを非表示/違反報告)
かのん - 続き…書いてくれると嬉しいです… (2022年12月4日 20時) (レス) @page22 id: 19794637f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那カイ | 作成日時：2020年1月19日 20時
