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もうすぐ朝ごはんができようとした最中。
気分の舞い上がっていた私の視線は、突然現れた荼毘さんに釘付けになっていた。
それでも心のどこかで期待していた存在に私の表情は一層明るくなる。
「あっおはようございます！あの、勝手ながら今日から私が朝ごはんを作ろうかな…って…」
＿＿言いかけた言葉が途切れる。
その理由は、無言で足早にこちらへと歩み寄る荼毘さんに違和感を感じたからだ。
必死ささえ感じられたほどの大股な歩幅は、瞬時に私との距離を縮める。
「あの、荼毘さ＿＿＿＿＿」
＿＿俯き気味のその顔を覗く間もなかった。
伸びた手に、一瞬にして私は抱き寄せられた。
いつもよりずっと力のこもったその腕が、先程感じた違和感をより強める。
それでも荼毘さんの考えていることがわからない私は、腕の中で大人しくすることしかできない。
(何かあった…のかな。)
そんなことを考えていたのだが、今一度、荼毘さんの手が私の肩を掴み、そのまま身体が離れた。
ようやく見れた荼毘さんの顔。
それでも、私を捉えたその静かな瞳からは何も読み取れない。
「大丈夫ですか…？」
未だ無言の荼毘さんが心配になって声をかける。
その瞬間、私の呼びかけに応えるように、荼毘さんはため息混じりに笑っていた。
そしてもう一度、私は胸の中へと収まる。
その笑みは何を意味しているのか。
そのため息は『呆れ』によるものか、はたまた『安堵』によるものか。
はっきりとしたことは、私にはわからなかった。
それでも、先程までの違和感を拭い取るようなその和らいだ表情に、どこかほっとしている自分がいた。
＿＿言葉はなくとも、今はその事実だけでよかった。
変わらず、強く抱きしめられたまま。
しかし、抱きしめられても行き場のない私の両手は、空に留まっている。
「…お前って、料理出来たんだな。」
私の髪を撫でる荼毘さんが、おもむろに口を開いた。
まるで感心されたような言い様だったが、当の私はすぐに謙遜な態度になる。
「自信は全然ないんですけど…。もし口に合わなかったら遠慮なく言ってくださいね。私が全部食べますので…。」
「何言ってんだ。誰が人の為に作った料理残すんだよ。…ありがとな。」
苦笑いした私にとって、荼毘さんの言葉はどこまでも優しいものだ。
頬に触れた荼毘さんの髪がくすぐったかった。
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如月 - 荼毘さんかっこよすぎます！続き書いてくれると嬉しいです！(*´∇｀*) (5月15日 21時) (
レス) @page22 id: 144d29d1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ふふ - 続きを正座待機。最高かよ!!!! (2023年4月14日 17時) (レス) @page22 id: bc020e7b09 (このIDを非表示/違反報告)
よっすぃ - 続きが見たいです……… (2022年12月16日 7時) (レス) @page5 id: 93ab21d600 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 続き…続き…続きｦ… (2022年12月5日 8時) (レス) @page22 id: 1a035e157b (このIDを非表示/違反報告)
かのん - 続き…書いてくれると嬉しいです… (2022年12月4日 20時) (レス) @page22 id: 19794637f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那カイ | 作成日時：2020年1月19日 20時
