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ただただ静かな時間が流れる中、壁に寄りかかったままの俺は思索に耽ていた。
(本当に嬉しそうだったな、彼奴……。)
何気ないその瞬間、Aの嬉しそうなあの笑顔が、また頭をよぎる。
それと同時に、忘れようとした感情がより一層と広く、深く、心に重くのしかかった気がした。
「…………………………。」
＿＿＿欲深いのだろうか。
＿＿＿笑顔でさえも、俺だけに向けて欲しいと思ってしまうのは。
……まるで私利私欲に塗れたような欲望が、自身の中で小さく芽生えはじめていた。
(到底、無理な話だけどな…………。)
じわりと心の底から滲み出た独占欲が、そのまま俺の身体ごと蝕んでいくようだった。
拭いきれない焦燥感に自然と顔が俯く。
その時、俯いた俺の視界の端でトガがスマホを仕舞うのが見えたと思うと、俺を見上げた。
「ところで＿＿＿＿ 」
おもむろに、トガが口を開く。
「 ＿＿＿＿＿＿＿＿怒ってます？」
「………なんのことにだ？」
何かと思えば、真顔でいきなりそんなことを聞いてきた。
しかし、咄嗟に聞き返した通り俺には、それが何に対してのことなのかも、わざわざそんなことを聞いてくるトガの思考も分からなかった。
……トガがAを外に連れ出そうとしていることに対してだろうか。
俺の中で、唯一考えられたのはそのくらいだ。
だがもし、そのことに対してトガが聞いていたとしても、今の俺は至って平常のつもりで＿＿＿＿
(平常………………か？)
＿＿＿心のどこかで、ずっと感じていた。
「んー、怒ってはいないようですねえ……。」
＿＿＿ベッタリとくっつき離れない、異様な感覚を。
俺の顔をジロジロと眺めるトガの様子に、だんだんと不快感が募る。
(なんなんだ、此奴……。)
トガが何をしたいのか分からない上に、まるで探るようなその態度に眉を顰める。
その途端、わざとらしく、何かを閃いた幼い子供のような笑顔をトガは俺に向けた。
「じゃあ、嫉妬して「してない…！」………あ。」
その瞬間、俺はすぐ後悔したと同時に、トガが単に俺をからかっていたことに気づく。
……だが、もう手遅れだった。
俺が言葉を遮ってまで、焦るように否定してしまったことで、トガは自身の考えに確信を得たのだろう。
今のトガは、笑顔とは言っても、ニヤニヤとした表情を浮かべていた。
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如月 - 荼毘さんかっこよすぎます！続き書いてくれると嬉しいです！(*´∇｀*) (5月15日 21時) (
レス) @page22 id: 144d29d1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ふふ - 続きを正座待機。最高かよ!!!! (2023年4月14日 17時) (レス) @page22 id: bc020e7b09 (このIDを非表示/違反報告)
よっすぃ - 続きが見たいです……… (2022年12月16日 7時) (レス) @page5 id: 93ab21d600 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 続き…続き…続きｦ… (2022年12月5日 8時) (レス) @page22 id: 1a035e157b (このIDを非表示/違反報告)
かのん - 続き…書いてくれると嬉しいです… (2022年12月4日 20時) (レス) @page22 id: 19794637f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那カイ | 作成日時：2020年1月19日 20時
